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放課後等デイサービス報酬
2026.09.15

【2026年度版】放課後等デイサービス・児童発達支援の運営指導チェックリスト|事前準備・確認書類・減算リスク

放課後等デイサービスと児童発達支援の運営指導は、2025年4月から「3年に1回以上」の頻度で行う方針に変わりました。事前通知は原則1か月前なので、通知が来てから書類をそろえ始めると、記録の抜けを埋める時間がほとんどありません。

この記事では、国の指導監査通知で確認できる内容をもとに、運営指導の流れと、人員・設備・運営・報酬請求の分野ごとに確認される書類をチェックリストにまとめます。報酬の減算に直結する項目は、減算率も並べました。

【2026年度版】放課後等デイサービス・児童発達支援 運営指導チェックリスト

この記事の根拠:「指定障害児通所支援事業者等の指導監査について」(平成26年3月28日 障発0328第4号、最終改正 令和7年3月31日 こ支障第90号)とその別紙「主眼事項及び着眼点等」、報酬の留意事項通知(令和8年5月28日 こ支障第147号による改正を含む)、こども家庭庁の運営指導調書(自己点検表)。URLは記事末尾にまとめています。

運営指導とは:集団指導・運営指導・監査の違い

自治体(都道府県・政令市・中核市など)が事業所に行う指導には、次の3種類があります。以前は「実地指導」と呼ばれていたものが、現在の通知では「運営指導」になっています。

種類 やり方 対象・きっかけ
集団指導 事業者を集めた講習。オンラインや動画配信で行う自治体もある 全事業者。新規指定の事業者はおおむね1年以内に対象
運営指導 原則として事業所で、書類をもとに説明を求める面談方式。実地でなくても確認できる部分はオンラインも可 定期的に実施(児発・放デイは3年に1回以上)
監査 基準違反や不正請求の事実を確認し、行政上の措置につなげる 通報・苦情、請求データの特異な傾向、運営指導で見つかった違反など

運営指導の途中でも、①利用者の生命・身体の安全に危害を及ぼすおそれがある著しい運営基準違反、②著しく不正な請求、のどちらかが確認されると、運営指導を中止して監査に切り替えることができるとされています。

運営指導はいつ来る?頻度と事前通知

  • 頻度:令和7年3月31日の通知改正で、児童発達支援と放課後等デイサービスは「3年に1回以上」実施する方針になりました。指定後間もない事業所は指定後3年以内に、不適切な運営や請求が疑われる事業所は優先的に行われます。ただし、国の資料では2024年度の実施率は対象サービス平均で約19%で、実際に何年ごとに来るかは自治体によって差があります。
  • 事前通知原則として実施予定日の1か月前までに文書で通知されます。通知には日時・場所・担当者・出席者・準備すべき書類、当日のおおまかな流れが書かれます。
  • 通知なしの場合:障害児虐待が疑われるなど、事前に知らせると日常の支援の様子が確認できない場合は、当日に通知して始めることがあります。
  • 確認される期間原則として前年度から直近までの実績の書類です。利用者の記録の確認は、特に必要な場合を除き原則3名以内とされています。

事前提出資料の様式や提出期限、当日の所要時間は国の通知では決まっておらず、自治体ごとに違います(例:愛知県は実施日の10日前まで、茨城県は2週間前まで、佐世保市は約2週間〜1か月前)。通知が届いたら、指定権者のホームページで様式を確認してください。

まずは国の「自己点検表」で点検する

運営指導は、通知の別紙「主眼事項及び着眼点等」に沿って行われます。このうち下線が付いた「標準確認項目」を中心に、「標準確認文書」で確認するのが原則で、不正が疑われる場合などを除き、それ以外の項目は特段の事情がない限り確認しないとされています。

こども家庭庁は、この項目を事業所が自分で点検できる「運営指導調書(自己点検表)」を、放課後等デイサービス用・児童発達支援用に分けてExcelで公開しています。通知を待たずに、年に1回はこの表で点検しておくのが確実です。なお、公開されている版は2024年8月掲載のものなので、その後の改定内容(下記の減算の経過措置終了や令和8年度の特例)は別途確認してください。

現場で特によく見られるポイント

TS assistが運営指導の準備を支援してきた中で、特に確認が細かかった点をまとめます(指導の進め方は自治体や担当者によって異なります)。

  • 自己点検表の「できている」に裏付けの書類があるか運営指導は自己点検表をもとに進みます。「実施している」とチェックした項目ごとに、委員会の議事録、研修の記録、同意書などの書類がそろっているか、内容がきちんと伴っているかを見ておきましょう。
  • 取得している加算の記録:算定している加算は、要件を満たしていることが分かる記録(実施記録、計画への位置付け、職員の資格や配置の記録など)をよく確認されます。
  • 個別支援計画のつながり:最新の計画だけでなく、前回の計画やモニタリングの結果が今回の目標や支援内容に反映されているか、内容に連動性があるかも見られます。
  • 複数の事業所を運営している場合:同じ月に複数の事業所へ運営指導が入っても、担当者が事業所ごとに変わり、聞かれる内容が少しずつ異なることがあります(茨城県の例)。1つの事業所で聞かれたことだけでなく、全事業所で自己点検表の全項目を準備しておくのが安全です。

運営指導チェックリスト【人員】

確認されること 用意する書類
児童指導員または保育士が必要数いて、うち1人以上が常勤か 勤務体制一覧表、勤務実績表、出勤簿・タイムカード
機能訓練担当職員などを含める場合も、児童指導員または保育士が半数以上か 勤務体制一覧表、従業者の資格証
児童発達支援管理責任者が1人以上、専任かつ常勤でいるか 勤務実績表、児発管の研修修了証・実務経験の証明
管理者が専従(兼務の場合は基準の範囲内)か 勤務実績表、組織体制が分かる書類
利用者数に対して配置が足りているか 利用者数(平均利用人数)が分かる書類

配置基準の詳しい数え方は人員配置基準【2026年度版】で解説しています。

運営指導チェックリスト【設備】

  • 指導訓練室(発達支援室)など必要な設備・備品があり、原則として事業専用になっているか(平面図、設備・備品一覧、目視で確認)
  • 届け出た平面図と実際の使い方が変わっていないか。レイアウトや定員を変えた場合は変更届が出ているか

運営指導チェックリスト【運営】

項目 確認されること 用意する書類
契約・説明 重要事項を説明し同意を得てから契約しているか。契約支給量を市町村に報告しているか 重要事項説明書、利用契約書、受給者証の写し、契約内容報告書
個別支援計画 児発管がアセスメント→担当者会議→計画作成→保護者への説明・同意・交付→モニタリングの手順を踏んでいるか アセスメント記録、担当者会議の記録、個別支援計画(同意・交付の記録)、モニタリング記録
支援プログラム・自己評価 支援プログラムを公表し届け出ているか。自己評価と保護者評価の結果をおおむね年1回以上公表しているか 公表したページや掲示物、届出の控え、評価の集計結果
勤務体制・研修 勤務表を作り、研修の機会を確保しているか 勤務表、研修計画・実施記録
業務継続計画(BCP) 感染症と自然災害の計画を作り、研修・訓練・見直しをしているか 業務継続計画、研修・訓練の記録
非常災害対策・安全計画 非常災害の計画と避難訓練、安全計画の策定・周知・研修訓練・見直しをしているか 非常災害対策計画、訓練記録、安全計画
送迎 自動車で送迎する場合、乗降時に子どもの所在を確認しているか 所在確認の記録、送迎の手順
衛生管理・感染症対策 感染症・食中毒の対策委員会、指針、研修・訓練を行っているか 委員会の議事録、指針、研修・訓練の記録
身体拘束等の禁止 やむを得ず身体拘束をした場合の記録、適正化の委員会・指針・研修があるか 身体拘束の記録、委員会の議事録、指針、研修記録
虐待の防止 虐待防止委員会、研修、担当者の配置をしているか 委員会の議事録、研修記録、担当者が分かる書類
秘密保持 従業者から在職中・退職後の秘密保持の誓約を取っているか 秘密保持誓約書
苦情・事故 苦情と事故を記録し、対応しているか 苦情受付簿・対応記録、事故報告・対応記録、各マニュアル

感染症対策・BCP・送迎の安全装置については令和6年度から義務化された項目の記事、計画の書き方は個別支援計画の記入例の記事、手順が欠けたときの減算は個別支援計画未作成減算の記事も参考にしてください。

運営指導チェックリスト【報酬請求・減算】

報酬請求では、基本報酬と加算の算定要件が記録で裏付けられているか(体制等状況一覧表、各加算の届出書と実施記録)が確認されます。あわせて、次の減算に当たる状態がないかも確認されます。減算に当たるのに減算せず請求していた場合は、さかのぼって返還を求められることがあります

減算 減算に当たる状態 減算の大きさ
虐待防止措置未実施減算 虐待防止委員会(年1回以上)・研修(年1回以上)・担当者のいずれかが欠けている 所定単位数の1%
身体拘束廃止未実施減算 身体拘束の記録、適正化委員会(年1回以上)、指針、研修(年1回以上)のいずれかが欠けている 所定単位数の1%
業務継続計画未策定減算 感染症・自然災害の業務継続計画が未策定、または計画に沿った措置をしていない(経過措置は2025年3月末で終了) 所定単位数の1%
情報公表未報告減算 障害福祉サービス等情報公表制度への報告をしていない 所定単位数の5%
支援プログラム未公表減算 5領域との関連を明確にした支援プログラムを公表・届出していない(2025年4月から適用) 所定単位数の15%
自己評価結果等未公表減算 自己評価・保護者評価の結果をおおむね年1回以上公表・届出していない 所定単位数の15%
個別支援計画未作成減算 計画が作られていない、または作成の一連の手順が適切に行われていない 3か月未満は30%、3か月以上続くと50%
人員欠如減算(児童指導員・保育士) 基準の員数を満たしていない 3か月未満は30%、3か月以上続くと50%
児童発達支援管理責任者欠如減算 児発管がいない 5か月未満は30%、5か月以上続くと50%

虐待防止・身体拘束・BCP・情報公表の4つは、無料の必須対応・減算ナビで、できていない項目を選ぶだけで減算リスクを確認できます。年間で必要な研修・委員会・訓練は年間コンプライアンス、加算の要件と必要な記録は加算ナビで一覧にしています。支援プログラムの作り方と公表の手順は支援プログラム未公表減算の記事、自己評価・保護者評価の公表と届出は自己評価結果の公表と未公表減算の記事で解説しています。

当日の流れと、指摘を受けた後

  1. 当日:事前に示された流れに沿って、書類を見ながら説明します。対応は管理者に限らず、実務に詳しい職員や法人の労務・会計担当者が同席しても問題ないとされています。記録をパソコンで管理している場合は、画面で見せる形でも構いません。
  2. 結果の通知:改善が必要な事項は後日文書で通知され、改善報告書の提出を求められます。
  3. 監査に進んだ場合:勧告(期限を定めた文書)→命令(勧告に従わない場合、公示)→指定の取消しや効力の停止、という行政上の措置があります。
  4. 返還:不正に受け取った給付費は返還の対象になり、命令や指定取消し等の場合は、原則として返還額に40%を上乗せした額を支払わせるよう自治体に求められています。

令和8年度(2026年度)に押さえておくこと

  • 人員欠如減算の猶予特例:2026年5月28日の通知改正で、突発的でやむを得ない事情による1割以内の人員欠如について、1年に1回に限り、発生月の翌々月まで減算の適用を猶予する特例ができました。ハローワーク等での求人と、発生月の翌月までの報告(求人票の写しを添付)が必要です。運営指導では、特例を使った月の報告書と求人の記録が確認されると考えておくのが安全です。詳しくは人員欠如減算の猶予特例の記事をご覧ください。
  • 処遇改善加算の見直し:2026年6月から6区分になり、要件を「年度内に対応する」と誓約して算定した事業所は、実績報告で対応状況が確認されます。根拠資料を残しておきましょう(処遇改善加算6区分の記事)。
  • 新規指定の基本報酬:2026年6月1日以降に指定を受けた放課後等デイサービスは基本報酬が所定単位数の982/1000、児童発達支援は988/1000で算定されます(新規指定の基本報酬特例の記事)。

年度内の提出期限は令和8年度の届出・報告スケジュールにまとめています。

まとめ

  • 児発・放デイの運営指導は「3年に1回以上」の方針。通知は原則1か月前なので、日頃から書類をそろえておく。
  • 確認されるのは原則として前年度から直近の書類。こども家庭庁の自己点検表で年1回は点検する。
  • 虐待防止・身体拘束・BCPは各1%、情報公表は5%、支援プログラム・自己評価の未公表は各15%の減算。個別支援計画の未作成や人員欠如は最大50%の減算になる。
  • 著しい基準違反や不正請求があると監査に進み、返還に40%が上乗せされることもある。

「自己点検表をやってみたが判断に迷う」「運営指導の通知が来た」という場合は、障害福祉専門のTS assistにご相談ください。

根拠資料

本記事は2026年9月15日時点の通知・資料に基づいています。運営指導の実施方法や事前提出資料は指定権者によって異なるため、所管の自治体の案内もあわせて確認してください。

この記事の内容、自分の事業所ではどうなる?

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