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放課後等デイサービス報酬
2026.09.15

【2026年度版】個別支援計画未作成減算とは|放課後等デイサービス・児童発達支援の減算率・対象になる手順ミス・防ぎ方

個別支援計画未作成減算は、計画書が「ない」ときだけでなく、計画書があっても作成の手順が欠けているときにも適用される減算です。減算は最大で所定単位数の50%になり、さかのぼって返還を求められることもあるため、放課後等デイサービス・児童発達支援の減算の中でも影響が大きいものの一つです。

この記事では、国の告示・通知で確認できる減算の要件と計算方法、減算の対象になる手順の抜け、日々の運用で防ぐためのチェックポイントを整理します。

【2026年度版】個別支援計画未作成減算 減算率・対象になる手順ミス・防ぎ方

この記事の根拠:児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成24年厚生労働省告示第122号)、同基準の留意事項通知(障発0330第16号、最終改正 令和8年3月31日 こ支障第88号)第二1(7)、人員設備運営基準(平成24年厚生労働省令第15号)第27条とその解釈通知、報酬改定Q&A。URLは記事末尾にまとめています。

個別支援計画未作成減算とは

放課後等デイサービス・児童発達支援では、児童発達支援管理責任者(児発管)が、決められた手順で一人ひとりの個別支援計画(運営基準上の名称は「放課後等デイサービス計画」「児童発達支援計画」)を作ることが運営基準で義務付けられています。この手順が守られていない場合に、報酬を減らすのがこの減算です。

留意事項通知では、次のどちらかに当てはまる子どもについて減算するとされています。

  1. 児発管による指揮の下で、計画が作成されていない
  2. 運営基準に定める計画作成の一連の業務が適切に行われていない

つまり、計画書がそろっていても、アセスメントや担当者会議、同意・交付などの手順が抜けていれば減算になり得ます。都道府県の資料でも「手順のいずれかが欠けた場合でも減算の対象」と説明されています(岐阜県)。

減算率と、いつからいつまで減算されるか

項目 内容
減算の大きさ 減算が適用される月から3か月未満は所定単位数の70%で算定(30%減)、連続3か月以上は50%で算定(50%減)
掛ける対象 加算を足す前の所定単位数(基本報酬など)
誰について 手順が欠けているその子どもについて(事業所の利用者全員ではない)
いつから 該当する状態になったその月から
いつまで 状態が解消した月の前月まで(解消した月は減算しない)

自治体の計算例では、11月から計画が作成されず翌年7月に作成した場合、11月・12月は70%、1月〜6月は50%で算定するとされています(船橋市 集団指導資料)。

人員欠如減算が「翌月」「翌々月」から利用者全員に適用されるのと違い、この減算は子どもごと・その月から適用される点に注意が必要です。

計画作成の「一連の業務」とは(運営基準第27条)

運営基準第27条(放課後等デイサービスは第71条で準用)に定められている手順は次のとおりです。減算を防ぐには、各段階の記録が残っていることが前提になります

手順 基準で求められていること 残しておく記録
① 担当者 管理者は、計画作成の業務を児発管に担当させる 計画書の作成者欄(児発管の氏名)
② アセスメント 保護者と子どもに面接し、趣旨を説明したうえで、心身の状況・環境・希望を把握する アセスメント記録(面接日・面接者)
③ 原案作成 意向、総合的な支援目標と達成時期、課題、5領域との関連性とインクルージョンの観点を踏まえた支援内容などを記載する 計画原案(作成日)
④ 担当者会議 支援にあたる担当者等を集めて原案への意見を求める。子どもの意見が尊重される体制を確保する。テレビ電話装置等での開催も可 会議録(開催日・参加者・内容)
⑤ 説明・同意 保護者と子どもに説明し、文書で同意を得る 同意の署名と同意日
⑥ 交付 保護者と、障害児相談支援事業所に計画を交付する 交付日・交付先の記録
⑦ モニタリング 保護者と連絡をとり、定期的に面接して実施状況を把握し、結果を記録する モニタリング記録
⑧ 見直し 少なくとも6か月に1回以上計画を見直し、必要に応じて変更する。変更するときは②〜⑥の手順をもう一度行う 見直しの記録、変更後の計画一式

令和6年度の改正で、5領域との関連性・インクルージョンの記載と、相談支援事業所への交付が加わりました。相談支援事業所への交付は、計画を更新するたびに行えばよいとされています(令和6年度Q&A VOL.1 問39)。また、児発管は相談支援事業所が開くサービス担当者会議に参加するよう努めることとされています(努力義務)。

減算の対象になりやすい手順の抜け

国の通知は「一連の業務が適切に行われていない」と定めるだけで、具体例は自治体が運営指導の指摘として公表しています。例えば岡崎市は「運営指導で個別支援計画未作成減算を指示する事例が多発している」として、次のような事例を挙げています。

  • 児発管(サービス管理責任者)が計画を作成していない
  • 計画作成の会議の記録がなく、会議を開いたか分からない
  • 保護者の同意を得ないまま支援を提供している
  • 児発管がアセスメントやモニタリングに同席していない
  • 会議に、直接支援にあたる担当者が参加していない
  • 「OJT」を名目に、児発管が計画の業務にまったく関与していない

岐阜県の資料では、説明・同意をしていない、計画を交付していない、同意・交付を確認できる記名等がない、といった場合も減算の対象として挙げられています。国のQ&Aでは、児発管の実務経験の要件を満たさない人が作成した計画も減算の対象とされています(平成30年度Q&A VOL.1 問97)。

なお、「同意日がサービス提供開始日より後だった」「見直しが6か月を過ぎた」場合の扱いは、国の資料で明示されていません。岡崎市は「計画に位置付けたサービス提供開始日までに同意を得ているか」「少なくとも6月に1回以上モニタリングしているか」を確認項目にしており、運用は指定権者によって異なる可能性があるので、所管の自治体の資料も確認してください。

児発管がいない期間の計画はどうなる?

  • 両方の減算に当たる場合:児発管欠如減算と個別支援計画未作成減算の両方に当たるときは、二重には減算せず、減算となる単位数が大きい方だけを適用するとされています(平成30年度Q&A VOL.3 問2)。
  • 児発管欠如減算の率:欠如した月の翌々月から、5か月未満は所定単位数の70%、連続5か月以上は50%で、こちらは利用者全員が対象です。
  • 欠如中に作った計画:児発管がいない間に作成された計画を未作成扱いとするかについて、国のQ&Aは見当たりません。岐阜県は、児発管が不在の間は新規利用を控え、見直しが必要になった月から未作成減算になるとの考え方を示しています。

児発管が退職しそうなときは、欠如の前から採用や研修修了者の確保を進めることが、両方の減算を避ける一番の対策です。配置の考え方は人員配置基準【2026年度版】、2026年5月にできた人員欠如減算の猶予特例はこちらの記事で解説しています(この特例が児発管の欠如にも使えるかは、国の資料で確認できていません)。

児発管が退職したときの減算の始まる月や、研修未修了の人を一時的に児発管とみなす「やむを得ない事由」の特例は、児発管が退職したら?児発管欠如減算とみなし配置で解説しています。

減算を防ぐためのチェックリスト

チェック項目 確認のしかた
全利用児について、有効期限内の計画があるか 利用児一覧に「計画作成日」「次回見直し期限」の列を作り、毎月確認する
作成者が児発管になっているか 計画書の作成者欄と、その時点の児発管の在籍・要件(研修修了・実務経験)を照合する
アセスメントが原案作成より前にあるか アセスメント記録の日付と原案の作成日を比べる
会議録に日付・参加者・内容があるか 会議録の様式に必須欄として設ける
同意がサービス提供の開始までに得られているか 同意日と、計画に位置付けた支援の開始日を比べる
保護者と相談支援事業所に交付した記録があるか 交付日・交付先を記録する欄を設ける
6か月以内に見直しをしているか 見直し期限の1か月前にアラートを出す
変更したときも、アセスメントから交付までやり直しているか 変更時の計画一式(会議録・同意・交付)がそろっているか確認する

運営指導では、計画は利用者の記録として原則3名以内が抽出して確認されます。ほかの確認書類と減算の一覧は運営指導チェックリスト【2026年度版】、計画の書き方は個別支援計画の記入例の記事、5領域を含む支援プログラムの公表は支援プログラム未公表減算の記事をご覧ください。減算リスクは無料の必須対応・減算ナビでもチェックできます。

令和8年度(2026年度)に変わったこと

令和8年度の報酬改定は処遇改善加算の拡充などが中心で、個別支援計画未作成減算の要件と減算率は変わっていません(令和8年3月31日・5月28日の留意事項通知改正で、該当箇所は改正前後で同じ文言)。令和6年度改正で加わった5領域・インクルージョンの記載と、相談支援事業所への交付は引き続き必要です。

まとめ

  • 計画書がない場合だけでなく、児発管の指揮がない、または作成の手順が欠けている場合も減算になる。
  • 減算は子どもごとに、該当した月から解消した月の前月まで。3か月未満は30%減、3か月以上は50%減。
  • 手順は、児発管によるアセスメント→原案(5領域・インクルージョン)→担当者会議→文書同意→保護者と相談支援事業所への交付→モニタリング→6か月に1回以上の見直し。
  • 児発管欠如減算と重なった場合は大きい方だけ。児発管の退職に早めに備えることが最大の対策。

「計画の手順や記録がこれで足りているか不安」「過去の計画に抜けが見つかった」という場合は、障害福祉専門のTS assistにご相談ください。

根拠資料

本記事は2026年9月15日時点の告示・通知・Q&Aに基づいています。減算の具体的な判断は指定権者によって異なる場合があるため、所管の自治体にも確認してください。

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