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放課後等デイサービス報酬改定
2026.09.13

【2026年6月改定】放課後等デイサービス・児童発達支援の処遇改善加算は6区分に|加算率・特例要件・提出期限を告示と通知で確認

2026年(令和8年)6月1日から、放課後等デイサービスと児童発達支援の福祉・介護職員等処遇改善加算が変わりました。区分は4つから6つに増え、加算率は放デイで最大16.1%、児発で最大15.8%になっています

この記事では、こども家庭庁の告示(令和8年こども家庭庁告示第5号)と国の通知・Q&Aを直接確認した内容だけをまとめます。「4月・5月」と「6月以降」で扱いが違う点、新しい区分Ⅰロ・Ⅱロに必要な「令和8年度特例要件」、計画書と実績報告の期限まで、事業所で判断に使える順番で書いています。

この記事の根拠:令和8年こども家庭庁告示第5号(令和8年3月31日)、「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(こども家庭庁・厚生労働省)、「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和8年3月31日 障障発0331第1号・こ支障第78号)、処遇改善加算Q&A第1版(令和8年4月9日)。URLは記事末尾にまとめています。

2026年6月に何が変わったか(3点)

令和8年度の改定は3年ごとの本改定ではなく、賃上げ対応のための期中改定です。処遇改善加算については次の3点が変わりました。

  1. 加算率の引き上げ。放デイの加算Ⅰは13.4%から15.5%へ、児発は13.1%から15.2%へ。
  2. 区分の追加。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの4区分が、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6区分に。「ロ」は生産性向上・協働化に取り組む事業所向けの上乗せ区分です。
  3. 対象の拡大。加算の対象が「福祉・介護職員」から「障害福祉従事者」に広がり、計画相談支援・障害児相談支援にも処遇改善加算が新設されました。

国の説明では、障害福祉従事者に月1.0万円(3.3%)、さらに生産性向上・協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員には月0.3万円(1.0%)の上乗せ、定期昇給を含めて最大月1.9万円(6.3%)の賃上げを想定した設計です。

放デイ・児発の加算率(6月以降と4月・5月)

加算率は告示に「所定単位数の1000分の◯」として書かれています。6月以降の数字と、4月・5月に適用される従前の数字を並べます。

2026年6月以降

サービス Ⅰイ Ⅰロ Ⅱイ Ⅱロ
放課後等デイサービス 15.5% 16.1% 15.2% 15.8% 14.2% 11.9%
児童発達支援 15.2% 15.8% 14.9% 15.5% 13.9% 11.7%
保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援 15.0% 15.6% 13.9% 11.7%

2026年4月・5月(従前)

サービス
放課後等デイサービス 13.4% 13.1% 12.1% 9.8%
児童発達支援 13.1% 12.8% 11.8% 9.6%

加算率は「処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数」に掛けます。たとえば放デイで月の総単位数(加減算後)が30万単位の事業所なら、加算Ⅰイで46,500単位、Ⅰロで48,300単位が処遇改善加算になります。Ⅰイ→Ⅰロの差は月1,800単位、地域単価10円なら月18,000円、年間で約21万円です。特例要件を満たす手間と見合うかは、この差額と職員数で判断してください。

6区分それぞれの要件

放デイ・児発は国通知の「表1-2」のサービスに当たります。要件は次の8つの組み合わせです。

区分 必要な要件
Ⅰイ ①月額賃金改善要件、②キャリアパス要件Ⅰ、③Ⅱ、④Ⅲ、⑤Ⅳ、⑥Ⅴ、⑦職場環境等要件のすべて
Ⅰロ Ⅰイの要件+⑧令和8年度特例要件
Ⅱイ Ⅰイから⑥キャリアパス要件Ⅴを除いたもの
Ⅱロ Ⅱイの要件+⑧令和8年度特例要件
Ⅱイから⑤キャリアパス要件Ⅳを除いたもの
Ⅲから④キャリアパス要件Ⅲを除いたもの

要件の中身で、令和8年度に変わった点や見落としやすい点を挙げます。

  • ①月額賃金改善要件:加算Ⅳ相当額の2分の1以上を基本給または毎月決まって支払う手当の改善に充てます。新規に算定する場合を除き、賃金総額を新たに増やす必要はなく、一時金や手当から月給への付け替えでも構いません。
  • ⑤キャリアパス要件Ⅳ:経験・技能のある福祉・介護職員1人以上が、改善後の年額460万円以上であること。従前の440万円から引き上げられました。職場環境等要件の取組が全体で14以上あれば満たしたものとして扱われます。
  • ⑥キャリアパス要件Ⅴ:福祉専門職員配置等加算の届出をしていること。Ⅰイ・Ⅰロだけに必要です。
  • ⑦職場環境等要件:Ⅰ・Ⅱ系は、5つの区分ごとに2つ以上、うち生産性向上の区分は3つ以上(「現場の課題の見える化」は必須)、全体で14以上。Ⅲ・Ⅳは区分ごとに1つ以上、生産性向上2つ以上、全体8以上。Ⅰ・Ⅱ系は取組内容を情報公表制度などで見える化する必要があります。1法人1事業所の小規模事業者は「協働化」を実施すれば生産性向上要件を満たします。

Ⅰロ・Ⅱロの「令和8年度特例要件」

新しい「ロ」区分に必要な特例要件は、次の(ア)または(イ)のどちらかと、(ウ)の両方です。

  • (ア)生産性向上の取組を5つ以上行っていること。うち「現場の課題の見える化」と「業務支援ソフト等の導入」は必須。
  • (イ)社会福祉連携推進法人に所属していること。
  • (ウ)加算Ⅱロの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てること。

(ア)と(ウ)は、令和8年度中に対応することを計画書で誓約すれば、申請時点で満たしているものとして扱われます。ただし、実績報告書で未対応と確認された場合は加算額の一部または全部を返還することになります。誓約で取りにいくなら、年度内に確実に実行できる項目だけにしてください

もう一つ、令和8年度は特例要件を満たす事業所に限り、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ(任用要件・賃金体系の整備、研修の実施、昇給の仕組み)も令和9年3月末までの整備を誓約する形で申請できます。特例要件を満たさない事業所は、これらを申請時点で実際に満たしている必要があります。

Q&Aでは、特例要件の審査に一律の資料添付は求めないが、就業規則や研修計画などの根拠資料を2年間保存し、求めに応じて提出するとされています。

4月・5月と6月以降で手続きはどう違うか

令和8年度は、4月・5月分は従前の4区分・従前の加算率、6月以降は新6区分・新加算率です。手続きは次のとおりです。

手続き 期限
処遇改善計画書(4月・5月分を申請し、6月以降分もあわせて出す事業者) 令和8年4月15日
処遇改善計画書(4月・5月分を申請しない事業者) 令和8年6月15日
体制届(6月から算定・区分変更) 原則5月15日。指定権者の判断で6月15日まで可
実績報告書(令和8年度分) 通常は令和9年7月31日

6月以降も算定する事業所は、計画書の「別紙様式2-3(6月以降の個票)」の記入が必要です。指定権者によって受付方法や期限の運用が違うので、都道府県・政令市の案内を必ず確認してください。

4月・5月分だけを見れば特例要件は不要です。ただし、4月・5月分の申請でキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲや職場環境等要件を「誓約」で満たすとする場合は、特例要件を満たしている(誓約を含む)ことが条件になります。

令和8年度に増えた加算額の使い方

6月以降の加算率引き上げ分や、Ⅰロ・Ⅱロへの移行で増えた加算額は、過去の実績に関わらず「新規に」賃金改善に充てることとされ、ベースアップが基本です

配分の対象は広がっています。児童指導員・保育士はもちろん、人員基準上の必置でない「指導員等」(児童指導員等加配加算でいうその他の従業者)も福祉・介護職員に含めて差し支えないとされました。事業所内の配分は、児童発達支援管理責任者、看護職員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、心理指導担当職員、事務員なども含めて柔軟に決められます。賃金改善前に年額460万円以上ある職員も対象に含められます。

令和7年度に誓約して未整備だった事業所へ

令和7年度に「誓約」で加算を取得したものの、要件を整備できなかった事業所は原則返還です。ただし、令和8年度に特例要件を満たす(誓約を含む)場合に限り、再度誓約することで令和7年度分の返還を求めないとQ&Aで示されています。該当する事業所は、令和8年度の計画書でこの点を落とさないでください。

事業所での確認手順

  1. 現在の区分と、6月以降どの区分で届け出ているかを確認する(体制届の控え)。
  2. Ⅰイ→Ⅰロ(またはⅡイ→Ⅱロ)の差額を、自事業所の月間総単位数で計算する。
  3. 特例要件(ア)の生産性向上5項目のうち、実際に年度内に実行できるものを数える。「見える化」と「業務支援ソフト等の導入」は必須。
  4. キャリアパス要件Ⅳの460万円を満たす職員がいるか、または職場環境等要件14項目で代替するかを決める。
  5. 誓約した項目は、実績報告(令和9年7月31日)までに証拠(就業規則、研修記録、導入したソフトの契約書など)が残る形で実行する。

加算の算定可否や必要な記録は、無料の加算ナビでも確認できます。処遇改善加算の区分選択や計画書の書き方で迷う場合は、記事下のフォームから30分の無料相談をご利用ください。

令和8年度の届出・報告の期限は、令和8年度の届出と報告のスケジュールに一覧でまとめています。

まとめ

  • 2026年6月から処遇改善加算は6区分。放デイはⅠイ15.5%・Ⅰロ16.1%、児発はⅠイ15.2%・Ⅰロ15.8%。
  • 「ロ」に必要な令和8年度特例要件は、生産性向上5項目(見える化と業務支援ソフト導入は必須)または社会福祉連携推進法人への所属、+Ⅱロ相当額の2分の1以上を月給改善に。
  • 誓約で申請できるが、未達なら返還。年度内に確実にできる項目で申請する。
  • 計画書は4月15日または6月15日、6月以降分は様式2-3が必要、実績報告は令和9年7月31日。

根拠資料

本記事は2026年9月13日時点の告示・通知・Q&Aに基づいています。指定権者ごとの運用や、その後の事務連絡で扱いが変わることがあります。

この記事の内容、自分の事業所ではどうなる?

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