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放課後等デイサービス報酬改定
2026.09.13

2026年6月1日以降に開設した放課後等デイサービスは基本報酬が982/1000|対象・除外・開所計画への影響をQ&Aで整理

2026年(令和8年)6月1日以降に新しく指定を受けた放課後等デイサービス事業所は、基本報酬が所定単位数の1000分の982、児童発達支援は1000分の988で算定されます。既存の事業所は従前どおりです。

これから開所する事業所、2か所目・3か所目を計画している法人、他法人から事業を引き継ぐ予定の法人には、収支計画に直接効く話です。この記事では、告示・留意事項通知・Q&A(VOL.1・VOL.2)を直接確認して、対象になる事業所・ならない事業所、月単位で除外される利用者、開所計画で見落としやすい点をまとめます。

制度の概要

正式には「応急的な報酬単価の特例」と呼ばれる措置で、令和8年度の期中改定で入りました。国は、収支差率が高く、かつ事業所数が急増しているサービス類型について、サービスの質を担保しつつ制度の持続可能性を確保する観点から、新規事業所に限って単価を調整すると説明しています。Q&Aには「過度な新規参入を抑制することも必要」と明記されています。

対象サービスの選定基準は、年間総費用額の1%以上、令和6年度の収支差率5%以上、事業所数が過去3年間で5%以上の伸び、の3つです。この基準で放デイ・児発のほか、就労継続支援B型(984/1000)、共同生活援助の介護サービス包括型・日中サービス支援型(972/1000)が対象になりました。

サービス 新規指定事業所の基本報酬
放課後等デイサービス 所定単位数の 982/1000(約1.8%減)
児童発達支援 所定単位数の 988/1000(約1.2%減)

適用期間は「令和9年度報酬改定までの間」とされる時限措置です。令和9年度改定で見直される可能性はありますが、現時点で終了後の扱いは示されていません。

対象になる事業所・ならない事業所

対象

  • 2026年6月1日以降に、児童福祉法第21条の5の15第1項の指定を受けた事業所。
  • 多機能型とし6月1日以降に新規指定を受けた事業所は、児発・放デイの両方が応急単価です。
  • 既存事業所が6月1日以降に別サービスを追加した場合、既存分は従前単価、新たに追加した分は応急単価です。

対象外

  • 2026年5月31日以前に指定を受けている事業所(従前単価)。
  • 基準該当事業所、共生型サービスの新規申請。
  • 従たる事業所の追加、単位の追加、定員の増加。これらは「新規指定」ではないため対象になりません。ただし、駆け込み的な追加は人員・設備基準の充足を確認して受理するよう指定権者に指示が出ています。
  • 合併・分割・事業譲渡などに伴う指定で、前後で事業所が実質的に継続して運営されていると都道府県知事が認める場合(従前単価)。
  • (旧)医療型児童発達支援から児童発達支援への事業変更に伴う新規指定。

事業所単位で除外されるケース

新規指定でも、次のいずれかに当たる事業所は従前の単価で算定します。

  1. 主として重症心身障害児を通わせる事業所。
  2. こども家庭庁長官が定める地域(特別地域加算の対象になる離島・中山間地域等)に主たる事業所がある。
  3. 都道府県知事が「地域に特に必要」として指定した事業所であることが客観的に明らかな場合。具体的には、都道府県の公募でサービス不足地域に設置した事業所、自治体の補助等で設置した事業所です。ここでいう補助は開設時の経済的支援に限られ、運営補助や指定管理料、質の向上・人材確保のための補助は含まれません。

3の判定は指定申請時に行われ、指定権者から市町村へ伝達されます(別紙1「配慮措置適用に係る指定申請時の確認と伝達手順」)。公募や補助で設置する計画なら、申請時にこの点を指定権者と確認しておいてください。

利用者単位・月単位で除外されるケース

応急単価の事業所でも、次の児童については、当該月に1日でも該当の給付費・加算を算定していれば、その月は所定単位数(従前単価)で算定します

  • 医療的ケア区分1〜3の給付費を算定した児童。
  • 放デイ:強度行動障害児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)、人工内耳装用児支援加算、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算を算定した児童。
  • 児発:強度行動障害児支援加算、人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算を算定した児童。

請求上は、国保連の一次審査で「事業開始年月日が令和8年6月1日以降」の事業所に減算用サービスコードの有無がチェックされます。重症心身障害の主たる障害種別は事業所単位、特定加算を算定した児童は受給者単位でチェックから外れます。離島等・公募設置の事業所は市町村の二次審査で「警告」が出て指定権者に照会される流れです。

減算は「加算前の単位数」に掛ける

982/1000を掛けるのは、各種加算がなされる前の基本報酬の単位数です。加算を含めた合計に掛けるものではありません。児童指導員等加配加算や専門的支援加算などの加算は、従来どおりの単位数で算定できます。

たとえば基本報酬が1人1日600単位の区分なら、応急単価では600×982/1000=589.2単位(端数処理後)になり、1人1日あたり約11単位の差です。1日10人・月22日稼働なら、月の基本報酬の差は約2,400単位、地域単価10円で月約24,000円、年間で約29万円です。開所後の数年間を見込むと無視できない額ですが、加算の取り方で吸収できる範囲でもあります。

開所計画で見落としやすい点

  • 駆け込みは通用しない:Q&Aで「特段配慮する必要はない」とされ、通常の事前相談・審査スケジュール・標準処理期間で処理されます。過剰兼任が疑われる場合はヒアリングや現地調査の対象になります。
  • 2か所目以降は「従たる事業所」か「新規指定」かで違う:従たる事業所の追加は対象外、別の事業所として新規指定なら対象です。どちらで組むかは人員配置とあわせて指定権者に確認してください。
  • 事業譲渡・M&A:実質的に継続していると知事が認めれば従前単価です。「実質的に継続」の判断は指定権者に委ねられているため、譲渡前に必ず確認してください。
  • 体制届の再提出:留意事項通知には、児発・放デイで令和8年6月以降に指定を受ける事業所は「改めて令和8年6月からの基本報酬の算定区分の届出を受けること」と追記されています。
  • 収支シミュレーションは応急単価で開所後2〜3年の資金計画は、基本報酬を982/1000(児発は988/1000)で置いてください。無料の収支シミュレーターで定員・加算別に試算できます。

令和8年度の届出・報告の期限は、令和8年度の届出と報告のスケジュールに一覧でまとめています。

まとめ

  • 2026年6月1日以降の新規指定は、放デイ982/1000、児発988/1000。令和9年度改定までの時限措置。
  • 掛けるのは加算前の基本報酬。加算は従来どおり。
  • 重症心身障害児主体、離島等、公募・開設補助による設置は事業所単位で除外。医療的ケア児や強度行動障害児支援加算等の算定児は月単位で除外。
  • 従たる事業所の追加・定員増は対象外。事業譲渡は「実質継続」なら従前単価。

根拠資料

本記事は2026年9月13日時点の告示・通知・Q&Aに基づいています。計算例は考え方を示すもので、実際の単位数・端数処理・地域単価は各事業所の条件で確認してください。

この記事の内容、自分の事業所ではどうなる?

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