必須の研修・訓練と年間計画【2026年度版】|放課後等デイサービス・児童発達支援の回数・記録の書き方
虐待防止、身体拘束、感染症、BCP。どれも「年に何回やるか」が決まっていて、やらないと減算になるものもあります。しかも感染症だけは回数が多く、委員会は年4回、研修と訓練はそれぞれ年2回以上です。
この記事では、必須の委員会・研修・訓練を一覧にして、年間計画の組み方と記録に残す項目・記録例、運営指導で指摘される不備までまとめました。年度の途中で「残り何回だったか」が分からなくなりがちなところです。
この記事の根拠:指定基準(省令)とその解釈通知。回数は一次資料と照合しています。URLは記事末尾にまとめています。
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必須の委員会・研修・訓練の一覧
放課後等デイサービス・児童発達支援・保育所等訪問支援、および生活介護・就労継続支援B型・共同生活援助に共通する回数です。
| 項目 | 回数(年間) | やらないと |
|---|---|---|
| 虐待防止委員会 | 年1回以上 | 虐待防止措置未実施減算/身体拘束廃止未実施減算 |
| 虐待防止研修 | 年1回以上 | |
| 身体拘束等の適正化検討委員会 | 年1回以上 | |
| 身体拘束適正化研修 | 年1回以上 | |
| 感染症対策委員会 | おおむね3か月に1回以上(年4回)+流行する時期等は随時 | 基準違反(減算の直接の定めはないが運営指導の指摘対象) |
| 感染症対策研修 | 年2回以上+新規採用時には必ず | |
| 感染症対策訓練 | 年2回以上 | |
| BCP研修 | 年1回以上 | 業務継続計画未策定減算(計画そのものがない場合) |
| BCP訓練 | 年1回以上 |
いちばん見落とされるのが感染症です。委員会が年4回、研修と訓練がそれぞれ年2回以上。この3つだけで年8回になります。「年1回やればいい」と思っていると、年度末にまとめて帳尻を合わせることになります。
計画相談支援・障害児相談支援は回数が違います(感染症対策委員会はおおむね6か月に1回以上(年2回)、研修・訓練は年1回以上。新規採用時の研修は「実施することが望ましい」)。虐待防止とBCPは他のサービスと同じです。
このほかに、非常災害対策(避難訓練)は別の規定で求められます。回数は所管の自治体や消防の指導によって異なるので、個別に確認してください。
年間計画の組み方
回数だけ見ると年11回ですが、委員会と研修をまとめて行うことで現実的な回数に収まります。
| 時期 | 実施すること | 回数の内訳 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 感染症対策委員会①/感染症研修①/感染症訓練①/新規採用者への感染症研修 | 感染症:委員会1・研修1・訓練1 |
| 7〜9月 | 感染症対策委員会②/虐待防止委員会/虐待防止研修 | 感染症:委員会2/虐待:委員会1・研修1 |
| 10〜12月 | 感染症対策委員会③/感染症研修②/感染症訓練②/BCP研修/BCP訓練 | 感染症:委員会3・研修2・訓練2/BCP:研修1・訓練1 |
| 1〜3月 | 感染症対策委員会④/身体拘束適正化検討委員会/身体拘束適正化研修/BCPの見直し | 感染症:委員会4/身体拘束:委員会1・研修1 |
組み方のポイントは3つです。
- 感染症を起点に組む。年4回の委員会が骨格になります。ここに他をぶら下げると無理がありません
- 感染症の研修と訓練は、流行期の前(夏ごろ)と流行期の中(冬ごろ)に分けると実態に合います
- 年度末に寄せない。1〜3月に3つ以上残すと、インフルエンザ等で現場が回らなくなったときに実施できません
新規採用があった月は、感染症研修を別に実施します(新規採用時は必須)。年2回の定期研修とは別枠と考えてください。
記録に残す項目
実施しただけでは足りません。運営指導で見られるのは記録です。委員会・研修・訓練のいずれも、次の項目をそろえます。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 実施日時 | 年月日と開始・終了時刻 |
| 種類 | 「感染症対策研修(第2回)」のように、年度内の何回目かまで書く |
| 参加者 | 氏名と職種。欠席者がいる場合は、後日どう補ったかも書く |
| 実施者・講師 | 内部か外部か、氏名 |
| 内容 | テーマと具体的に扱ったこと。使った資料名も |
| (委員会)検討事項と結果 | 何を議題にして、何を決めたか |
| (委員会)結果の周知 | 決まったことを誰にどう周知したか |
| (訓練)想定と手法 | どんな場面を想定したか、机上か実地か |
| (訓練)振り返り | やってみて分かった課題と、次にどう直すか |
資料や名簿は記録に添付します。研修で使ったスライドや配布資料が残っていないと、何をしたか確認できません。
記録例
例1:感染症対策研修(第2回)
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 実施日時 | 11月12日(木)17:30〜18:15 |
| 種類 | 感染症対策研修(令和8年度 第2回) |
| 実施者 | 管理者 〇〇(感染症対策委員会 委員長) |
| 参加者 | 児童指導員3名、保育士2名、看護職員1名(計6名)。欠席1名は11月14日に個別に実施し、同内容の資料で説明した |
| 内容 | インフルエンザ・感染性胃腸炎の流行期の対応。嘔吐物処理の手順(次亜塩素酸ナトリウムの希釈、使用後の廃棄)、発症児が出た場合の連絡経路と記録、職員の健康管理。事業所の感染症対策マニュアル(令和8年4月改訂版)とこども家庭庁の資料を使用 |
| 添付 | 研修資料(PDF)、参加者名簿(押印あり) |
例2:感染症対策訓練(第2回・実地)
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 実施日時 | 12月3日(木)16:00〜16:40 |
| 種類 | 感染症対策訓練(令和8年度 第2回/実地) |
| 想定 | 活動中に利用児が嘔吐し、同じ部屋に他の児が5名いる状況 |
| 手法 | 実地。嘔吐物処理キットを使い、実際に処理手順を実演 |
| 参加者 | 児童指導員3名、保育士2名(計5名) |
| 実施内容 | ①他児の誘導と動線の確保 ②処理担当者の防護具着用 ③処理と消毒 ④保護者への連絡 ⑤記録の作成、の順に実施 |
| 振り返り | 防護具の保管場所が奥で、取り出すのに時間がかかった。玄関側の棚に移動し、場所を掲示することにした。保護者への連絡文のひな形がなかったため作成する |
| 添付 | 訓練の手順書、参加者名簿、写真 |
振り返りで出た課題と、それをどう直したかが書かれているかどうかが、訓練の記録では一番見られます。「無事に終了した」だけでは、やった意味が読み取れません。
例3:虐待防止委員会
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 実施日時 | 8月20日(木)18:00〜18:50 |
| 種類 | 虐待防止委員会(令和8年度 第1回) |
| 出席者 | 管理者、児童発達支援管理責任者、虐待防止担当者、現場代表2名(計5名) |
| 検討事項 | ①ヒヤリハット報告3件の共有と要因分析 ②身体拘束に当たり得る対応の有無の確認 ③虐待防止指針の見直しの要否 |
| 決定事項 | 強い言葉での注意が2件報告されたため、声かけの言い換え例を一覧にして掲示する。指針は今年度は改訂せず、来年度の報酬改定にあわせて見直す |
| 結果の周知 | 8月22日の朝礼で全職員に口頭で説明し、議事録を休憩室に掲示。欠席者には個別に共有した |
| 添付 | 議事録、ヒヤリハット報告の写し、掲示した言い換え例 |
よくある不備
| 不備 | なぜ問題か |
|---|---|
| 感染症の委員会を年1〜2回しかやっていない | おおむね3か月に1回以上(年4回)が必要です。最も多い不備です |
| 感染症の研修・訓練を年1回で終えている | それぞれ年2回以上です(相談系は年1回以上) |
| 新規採用者に感染症研修をしていない | 新規採用時は必ず実施が求められます |
| 訓練をやったが記録がない/「実施した」だけ | 想定・手法・参加者・振り返りがないと、実施の確認ができません |
| 委員会の結果を周知した記録がない | 開催するだけでなく、結果の周知までが求められています |
| 参加者名簿がなく、誰が受けたか分からない | 欠席者への補完も含めて記録します |
| 年度内の何回目か書いていない | 回数を満たしているかを確認できません |
| BCPはあるが研修・訓練をしていない | 計画の策定と、研修・訓練は別の義務です |
まとめ
- 必須の委員会・研修・訓練は、虐待防止・身体拘束・感染症・BCPの4系統。
- 感染症だけ回数が多い。委員会は年4回、研修と訓練はそれぞれ年2回以上。
- 虐待防止・身体拘束・BCPは、委員会/研修/訓練とも年1回以上。
- 新規採用時は、感染症研修を別に実施する。
- 年間計画は感染症の年4回を骨格に組み、年度末に寄せない。
- 記録は、何回目か・参加者・内容・(委員会は)周知・(訓練は)振り返りまで書く。
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根拠資料
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号):虐待の防止、身体拘束等の適正化、感染症の予防及びまん延の防止(委員会・指針・研修及び訓練)、業務継続計画
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第28号):成人系サービスの対応条文
- 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(解釈通知):感染対策委員会「おおむね3月に1回以上」、研修「年2回以上・新規採用時には必ず」、訓練「年2回以上」、BCP研修・訓練「年1回以上」
本記事は2026年10月25日時点の省令・解釈通知に基づいています。記録例は考え方を示すためのものです。実施回数や記録の様式について指定権者が独自の取扱いを示している場合は、そちらにも従ってください。
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