処遇改善加算の計算方法【2026年度版】|総単位数の出し方・9サービスの加算率・計算例
福祉・介護職員等処遇改善加算は、1か月の総単位数に加算率をかけて計算します。式そのものは掛け算ひとつですが、「総単位数」に何を入れて何を入れないかを間違えると、金額がまるごとずれます。
この記事では、総単位数の出し方、9サービスすべての加算率(令和8年6月以降)、金額に直すまでの計算例をまとめました。計画書や実績報告の前に、自事業所の数字と突き合わせてみてください。
この記事の根拠:令和8年度の処遇改善加算に関する通知と報酬告示、報酬算定構造。加算率は一次資料と照合しています。URLは記事末尾にまとめています。
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計算式
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算式 | 1か月の総単位数 × 加算率 |
| 総単位数とは | 基本報酬に各種の加算・減算を加えた後の1か月の合計単位数 |
| 総単位数に含めないもの | 処遇改善加算そのもの |
| 加算率 | サービスと区分(Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ)で決まる |
ここで一番間違えやすいのが総単位数の範囲です。基本報酬だけに加算率をかけるのではありません。送迎加算も、家族支援加算も、欠席時対応加算も、すべて足したうえで、さらに減算があればそれも反映した後の数字が対象になります。
総単位数に入れるもの・入れないもの
| 扱い | 例 |
|---|---|
| 入れる | 基本報酬/送迎加算/家族支援加算/欠席時対応加算/児童指導員等加配加算/専門的支援加算など、処遇改善加算以外のすべての加算 |
| 反映させる(マイナス) | 人員欠如減算/個別支援計画未作成減算/自己評価未公表減算/開所時間減算など、その月に適用された減算 |
| 入れない | 処遇改善加算そのもの(自分に自分をかけることはしません) |
減算がある月は、減算を反映した後の小さくなった総単位数に加算率をかけます。減算は処遇改善加算の額にも効いてくる、ということです。
加算率一覧(令和8年6月以降)
令和8年6月から、対象が福祉・介護職員だけでなく障害福祉従事者に広がり、加算率が引き上げられました。あわせて、生産性向上や協働化に取り組む事業所向けにⅠロ・Ⅱロという上乗せ区分が新設されています。
| サービス | Ⅰイ | Ⅰロ | Ⅱイ | Ⅱロ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 児童発達支援 | 15.2% | 15.8% | 14.9% | 15.5% | 13.9% | 11.7% |
| 放課後等デイサービス | 15.5% | 16.1% | 15.2% | 15.8% | 14.2% | 11.9% |
| 保育所等訪問支援 | 15.0% | 15.6% | ― | ― | 13.9% | 11.7% |
| 生活介護 | 9.3% | 9.7% | 9.2% | 9.6% | 7.9% | 6.7% |
| 就労継続支援B型 | 10.5% | 10.9% | 10.3% | 10.7% | 8.8% | 7.4% |
| 共同生活援助(介護サービス包括型) | 16.3% | 16.9% | 16.0% | 16.6% | 14.4% | 12.1% |
| 共同生活援助(日中サービス支援型) | 16.3% | 16.9% | 16.0% | 16.6% | 14.4% | 12.1% |
| 計画相談支援 | 区分なし・5.1% | |||||
| 障害児相談支援 | 区分なし・5.1% | |||||
保育所等訪問支援にⅡイ・Ⅱロの設定はありません。相談系の2サービスは区分がなく一律5.1%です。
生活介護と就労継続支援B型を指定障害者支援施設で行う場合は率が変わります(生活介護Ⅰイ11.3%・Ⅰロ11.7%・Ⅲ9.6%・Ⅳ7.9%、就労継続支援B型Ⅰイ11.6%・Ⅰロ12.0%・Ⅲ9.8%・Ⅳ8.1%。いずれもⅡイ・Ⅱロの設定なし)。
令和8年4月・5月は改定前の加算率です。ここに載せているのは6月以降の率なので、4月・5月分を計算するときは通知の別紙1表1-1を見てください。
計算例
例1:放課後等デイサービス(加算Ⅰイ)
| ステップ | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| ① 基本報酬 | ― | 270,000単位 |
| ② 加算(送迎・加配・家族支援など) | ― | +32,000単位 |
| ③ 減算 | ― | なし |
| ④ 総単位数 | 270,000 + 32,000 | 302,000単位 |
| ⑤ 処遇改善加算 | 302,000 × 15.5% | 46,810単位 |
例2:同じ事業所が加算Ⅰロを取った場合
| 計算 | 結果 | |
|---|---|---|
| 加算Ⅰイ | 302,000 × 15.5% | 46,810単位 |
| 加算Ⅰロ | 302,000 × 16.1% | 48,622単位 |
| 差 | ― | 月1,812単位 |
地域単価10円なら月18,120円、年間で約21万7千円の差です。Ⅰロにするための生産性向上の取組が、この額に見合うかどうかで判断してください。
例3:減算がある月
例1と同じ事業所で、個別支援計画未作成減算により基本報酬が30%減算された月を考えます。
| ステップ | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| ① 基本報酬(減算後) | 270,000 × 70% | 189,000単位 |
| ② 加算 | ― | +32,000単位 |
| ③ 総単位数 | 189,000 + 32,000 | 221,000単位 |
| ④ 処遇改善加算 | 221,000 × 15.5% | 34,255単位 |
減算がない月(46,810単位)と比べて12,555単位少なくなります。地域単価10円なら約12万5千円です。減算は基本報酬だけでなく、処遇改善加算にも跳ね返ります。
例4:単位を金額に直す
単位数に地域区分の単価をかけると金額になります。単価はサービスと所在地で決まります。
| 地域単価 | 計算 | 月額 |
|---|---|---|
| 10.00円 | 46,810 × 10.00 | 468,100円 |
| 10.72円 | 46,810 × 10.72 | 501,803円 |
| 11.20円 | 46,810 × 11.20 | 524,272円 |
同じ単位数でも、地域によって月5万円以上の差が出ます。賃金改善の計画を立てるときは、自事業所の単価で計算してください。
よくある間違い
| 間違い | なぜ問題か |
|---|---|
| 基本報酬だけに加算率をかけている | 総単位数は加算を足した後の数字です。送迎加算や加配加算も対象に入ります |
| 処遇改善加算も総単位数に入れている | 処遇改善加算自体は対象外です |
| 減算を反映していない | 減算後の総単位数にかけます。減算がある月は処遇改善加算も減ります |
| 令和8年4月・5月に6月以降の率を使った | 4月・5月は改定前の率です |
| 保育所等訪問支援でⅡイ・Ⅱロを計算した | このサービスにⅡの設定はありません |
| 加算額だけ受け取って賃金改善をしていない | 加算額に相当する賃金改善を行わないと返還の対象になります |
| 令和8年度に増えた分を過去の改善実績に充てた | 増えた分は新たに賃金改善を行う必要があります(ベースアップが基本) |
計算のあとにやること
計算した加算額は、そのまま賃金改善に充てる義務があります。手続きの期限も決まっています。
| 書類 | 期限 |
|---|---|
| 体制届(体制等状況一覧表) | 算定を開始する月の前月15日まで |
| 処遇改善計画書(別紙様式2-1〜2-3) | その年度に初めて算定する月の前々月の末日まで |
| 実績報告書(別紙様式3-1・3-2) | その年度最後の加算の支払があった月の翌々月の末日まで(令和8年度分は通常 令和9年7月31日) |
計画書を期限までに出していない月は算定できません。賃金水準を下げる場合は、別に特別事情届出書が必要です。
区分ごとの要件(キャリアパス要件・職場環境等要件・令和8年度特例要件)は福祉・介護職員等処遇改善加算の6区分と2026年6月の変更点にまとめています。
まとめ
- 処遇改善加算=1か月の総単位数 × 加算率。
- 総単位数は基本報酬+各種の加算、減算を反映した後の合計。処遇改善加算自体は含めない。
- 加算率はサービスと区分で違う。放デイはⅠイ15.5%〜Ⅳ11.9%、相談系は区分なしで5.1%。
- 令和8年4月・5月は改定前の率。6月以降の率と混ぜない。
- 減算がある月は、処遇改善加算も同じだけ目減りする。
- 計算した額は賃金改善に充てる義務があり、充てなければ返還の対象。
サービス別・加算別の単位数と要件は、無料の加算ナビと処遇改善加算の詳細ページで確認できます。「区分を上げるべきか迷っている」「実績報告の書き方が不安」という場合は、障害福祉専門のTS assistにご相談ください。
TS assistは、児童発達支援・放課後等デイサービスに特化したコンサルタントとして、豊富な運営経験を活かした専門的な支援を提供いたします。200店舗以上のサポート実績に基づき、職員の信頼関係構築や業務効率化のための具体的な戦略を提案します。
各施設に合わせたカスタマイズサービスで、経営の安定と収益向上を目指しましょう。個別対応の細やかさと、Googleチャットを通じた迅速なコミュニケーションで、お気軽にご相談いただける体制を整えております。より良い療育の提供に向けて、TS assistはお客様の信頼できるパートナーであり続けます。
根拠資料
- 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定について」:報酬算定構造(令和8年6月施行分)、サービスコード表
- 令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について(報告):処遇改善加算の加算率、Ⅰロ・Ⅱロの新設
- 福祉・介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分):別紙1 表1-1・表1-2(加算率)、計画書・実績報告書の様式と期限
本記事は2026年10月25日時点の告示・通知に基づいています。加算率は一次資料と照合していますが、適用の判断は指定権者の取扱いによって変わることがあります。計算例は考え方を示すためのものです。
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