放課後等デイサービスがつぶれる原因は?問題点と今後の対策を解説
放課後等デイサービスは、需要の高まりと共に事業所数も年々増えています。一方で、経営不振により廃業してしまう事業所もあるのが現状です。
放課後等デイサービスが潰れないためには、どのような経営を行えば良いのか、経営方法に不安のある経営者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、放課後等デイサービスがつぶれる原因と対策について解説します。
この記事を読むことで、現状の把握と今後やるべき改善点が明確になるでしょう。
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放課後等デイサービスの現状と問題点
現在、放課後等デイサービスの事業所数は、制度開始時と比べると約6倍にも増えています。事業所数が増加した理由は、2012年の法改正を機に多くの民間企業が放課後等デイサービス事業に参入してきたことがきっかけです。
しかし、開業するハードルが低かったため、適切な支援が行われなかったり不正請求をする事業所があったりと、不適切な経営をする事業所が増えてしまいました。
このような問題を解決するために、2018年に法改正で不適切なサービスの提供や人員基準違反があった場合は減算をする、などの対策が実施されました。これにより、ずさんな経営をしていた事業所は、経営が悪化し廃業を余儀なくされてしまったのです。
2021年にはさらなる法改正が行われ、今後事業所経営を行っていく際には、質の高いサービス提供や専門性の向上などが求められることとなるでしょう。
参考:厚生労働省『放課後等デイサービスの現状と課題について』
『障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書』
『放課後等デイサービスに関わる報酬・基準について(論点等)』
『令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について(案)』
放課後等デイサービスがつぶれる原因
放課後等デイサービスは、開業しやすい一方で安定した経営を行うためにはクリアしなければならない課題も多くあります。
ここでは、放課後等デイサービスがつぶれてしまう原因を解説します。
法改正に対応できていない
時代の変化とともに児童福祉法の改正が行われるため、法改正に対応できないと廃業する可能性があります。
法改正では、主に基本報酬や加算・減算に関する内容の変更が多いため、法改正の内容に合わせた人員配置やサービス内容の対策が求められます。
2024年にも法改正が実施される予定のため、事前にしっかりと情報を把握し対策を考える必要があるでしょう。
人員の確保が難しい
障がい児支援を行う放課後等デイサービスは、体力や精神的にも疲労感を感じやすく、離職率が高い傾向にあります。
放課後等デイサービスなどの福祉サービスには、必要な人員基準が決められているため、人員の確保が難しい場合は経営を続けられなくなるでしょう。
また、人員基準を下回ったままサービスを提供すると、人員欠如減算に当てはまり、報酬が減額されてしまいます。自治体の指導を受けたのにも関わらず人員基準が改善されない場合も、事業所の休止勧告を受けることがあり、事業所の継続が難しくなるでしょう。
利用者の低迷
放課後等デイサービスは、事業所数の増加と共に他の事業所との競争率も高くなります。そのため、テレビばかり見せているなど専門的な支援をしない場合、利用者の低迷につながるでしょう。
今後安定した経営を行うためには、適切な支援を行い安定した利用者の確保が必要です。
放課後等デイサービスがつぶれないための対策
放課後等デイサービスを経営していくためには、事業所全体で対策をしていく必要があります。
今後事業所が廃業してしまわないように、事業所でできる対策について解説します。
質の高いサービス提供を行う
法改正の内容にもある通り、1人ひとりに合わせた質の高い支援が評価の対象になりました。そのため、事業所独自のサービスや個別性の高いサービスなど、より質の高いサービス提供が求められています。
他の事業所ではまだやっていないサービスや利用者のニーズを把握し、その地域で必要とされる事業所運営を目指しましょう。
加算を積極的に取得する
事業所の売り上げを上げるためには、加算の取得を積極的に行うことが重要です。
放課後等デイサービスでは、主に以下のような加算の取得が可能です。
- 児童指導員等加配加算
- 専門的支援加算
- 家庭連携加算
- 欠席時対応加算(Ⅰ)(Ⅱ)
- 送迎加算
- 強度行動障害児支援加算
法改正により加算の内容も変わるため、その内容を正確に把握し、条件に合う人員の確保ができた場合は、新たな加算の取得も検討しましょう。
関連記事:放課後等デイサービスの加算一覧!報酬の仕組みと単位数も解説
人員の定着や専門性の高い職員を配置する
先ほど解説したように、安定した経営を行うためには人員の確保が必要な条件になります。職場環境を整え離職率を下げることで、人員の定着につながるでしょう。
また、今後は質の高いサービス提供が求められるということから、専門職の配置も重要です。必要とされているニーズに応えられるような専門職の配置ができれば、他事業所との差別化も図れるでしょう。
集客活動を行う
どれだけ専門性の高いサービスを提供していても、多くの人に知られていなければ利用者数も増えていきません。
SNSや地域イベントの開催など、さまざまな場面で多くの人の目に留まるように、集客活動の実施が大切です。
今後は、事業所の認知度を上げるための集客方法も検討するべき課題になるでしょう。
放課後等デイサービスの今後の動向
放課後等デイサービスは、2024年に法改正を予定しています。この法改正で、より専門性を重視したサービス内容が求められるといわれています。
法改正による放課後等デイサービスの今後の動向について解説します。
「総合支援型」と「特定プログラム特化型」に2類化される
2024年の法改正で、放課後等デイサービスは「総合支援型」と「特定プログラム特化型」の2つに分類される予定です。それぞれの特徴と内容を見ていきましょう。
- 総合支援型:「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」全体をカバーした上で、特に重点を置くべき支援の実施
- 特定プログラム特化型:専門性の高い理学療法、作業療法、言語療法等の発達支援の実施
今後はどちらの内容にも当てはまらない場合、公費の対象外となる可能性があり、経営の継続が難しくなるでしょう。
今後も放課後等デイサービスの需要は高まる
現在、出生数が年々減少しており少子化が進んでいますが、今後もサービスを必要とする子どもは増えると予想されています。それに伴って、放課後等デイサービスの需要も高まっていくでしょう。
また、人と人が関わる放課後等デイサービスの仕事は、職業としての将来性も高いと見込まれています。さまざまな仕事がAIでできる時代になっていますが、福祉サービスは人だからできる支援という部分が大半を占めています。放課後等デイサービスは、利用者だけでなく働く人の就職先としても必要な事業といえるでしょう。
放課後等デイサービスがつぶれる原因と対策【まとめ】
放課後等デイサービスは、開業のしやすさなどから多くの民間企業が事業に参入してきました。
しかし、法改正に対応できない、人員の確保が困難という理由から、廃業する事業所が増えています。
事業所が廃業しないためには、質の高いサービス提供や加算の取得、事業所の集客活動を行うことが大切です。他の事業所にはない、独自のサービスを提供するのも良いでしょう。
また、2024年の法改正により、さらなる専門性の高いサービスが求められます。今後も放課後等デイサービスの経営を安定して行っていくために、事業所の運営内容を見直し、対策を行っていきましょう。
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