発達障害児支援士は国家資格?取得するメリットや資格の取得方法を解説
発達障がいの専門的な知識を得ることができる資格に、発達障害児支援士があります。
発達支援に関する資格にはさまざまな種類がありますが、発達障害児支援士がどのような資格なのかわからない方も多いでしょう。
ここでは、発達障害児支援士の概要や、資格の取得方法を解説します。
この記事を読むことで、資格を取得した際のメリットとともに、発達支援の現場で役立つ資格についても知ることができるでしょう。
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発達障害児支援士とは?
発達障害児支援士は、発達障がいのある子ども達を支援するための専門知識とスキルを証明する資格です。
この資格は、発達障がいの特性に応じた適切な支援方法など、実際の指導の場で必要とされる内容を学ぶことができます。
ここでは、発達障害児支援士は国家資格なのかどうか、似ている資格の児童発達支援士との違いについて解説します。
発達障害児支援士は国家資格ではなく民間資格
発達障害児支援士は国家資格ではなく、日本発達障害支援協議会が認定している民間資格です。
現段階では、国家資格としての発達支援や療育に特化した資格はありません。
放課後等デイサービスなどに従事している方や発達障がいのある子どもを持つ親など、発達障がいに関する専門的な知識を身につけたいと思っているさまざまな方が挑戦できる資格です。
発達障害児支援士と児童発達支援士の違い
発達障害児支援士と児童発達支援士は、どちらも発達障がいのある子どもたちを支援するための資格ですが、認定団体に違いがあります。
発達障害児支援士は日本発達障害支援協議会が認定しており、児童発達支援士は一般社団法人「人間力認定協会」が認定する民間資格です。
発達障害児支援士の講座は、以下に記載する方を対象に設定されているため、児童発達支援士よりも難易度が高いのが特徴です。
- 保育士
- 小学校教諭
- 幼稚園教諭
- 発達障がい児支援者
- 療育従事者
発達障がいについて基礎的な部分を勉強したい方は、まず児童発達支援士を取得し、より詳しく学びたい方は発達障害児支援士の取得を検討するとよいでしょう。
発達障害児支援士を取得するメリット
発達障害児支援士を取得すると、発達障がいに関する知識が増えるだけでなく、今後の就職活動にも有利になる可能性があります。
ここでは、資格を取得するメリットをいくつか紹介します。
発達障がいに関する知識や支援方法が身につく
発達支援の基礎的な内容から発展した知識、具体的な支援方法を学ぶことができます。
60年以上にわたって発達障がい児の支援を行ってきた武蔵野東学園と共同で開発された講座なので、現場の経験から得た実践的なスキルを身につけられるでしょう。
就職や転職の際に役立つ
履歴書にも記載できる資格のため、就職や転職の際に有利になることがあります。
発達障がい児の支援に関する専門知識があることをアピールでき、なおかつ教育や福祉の分野でのキャリアアップにもつながるため、さまざまな発達支援の現場で活躍したい方にもおすすめの資格です。
発達障害児支援士の資格取得方法
発達障害児支援士は、通学はせずに自宅にいながら取得が可能です。
ここでは、具体的な資格の取得方法を解説します。
発達障害児支援士資格認定講座を受講する
発達障害児支援士の資格を取得するためには、まず認定講座を受講する必要があります。
講座内容は、指導の心得、特性への対応、問題行動への対応、身辺自立、ソーシャルスキルなど、適切な支援をするための理論と実践について学んでいきます。
この講座は、週末に45分間の講義動画を視聴する形式で約5ヵ月間続きますが、受講のペースは自分で調整可能なので、隙間時間で受講可能です。
自宅で認定試験を受験する
講義動画を視聴し終えたら、認定試験を受験します。
レポート課題とケーススタディ課題の提出による認定試験を自宅で受験でき、時間制限が設けられていないため、じっくりと考えながら解答できる点もメリットでしょう。
発達支援の現場で保有していると役立つ資格
発達支援に関わる現場では、発達障害児支援士以外にもさまざまな資格を持った専門家が活躍しています。
ここでは、発達支援に関する職場で勤務する際に保有していると役立つ資格について詳しく説明します。
児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者は、支援計画の作成や実施、スタッフの指導・管理など、現場での業務は多岐にわたります。
決められた実務経験を積み、基礎研修と実践研修を修了することで、資格の取得が可能です。
資格取得後は、5年ごとに更新研修が必要ですが、障がい福祉サービス事業所において必ず1人以上の配置が義務付けられているため、今後もますます需要が高まる資格といえるでしょう。
関連記事:児童発達支援管理責任者(自発管)とは?要件や仕事内容を解説
児童指導員
児童指導員は、子どもたちの日常生活や学習活動を支援する専門職です。
この資格は任用資格であるため、学歴や実務経験・資格のいずれかが必要となります。
- 地方厚生局長等が指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者
- 社会福祉士・精神保健福祉士の資格を保有している者
- 4年制大学または大学院の教育学部、心理学部、社会学部、社会福祉学部などを卒業した者
- 小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の教諭となる資格を有する者
参考:厚生労働省『児童指導員及び指導員の資格要件等』
保育士
保育士は、乳幼児から小学校入学前までの子どもたちの保育を担当し、健全な成長を支える専門職です。
この資格は国家資格であり、大学や短大・専門学校などの保育士養成課程を修了するか、年に2回行われる保育士試験に合格すると資格を取得できます。
発達支援の現場でも、子どもたちの基本的な生活習慣の形成や情緒の安定を図る目的で保育士を採用している場合も多くあるため、専門的な知識を生かした支援ができるでしょう。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、身体機能の回復や発達、コミュニケーション能力の向上を支援する資格です。
理学療法士は主に運動器の機能改善、作業療法士は日常生活動作の向上、言語聴覚士は言語発達の支援を行います。
これらの資格は、大学や専門学校で所定の単位を取得後、国家試験に合格することで取得が可能です。
発達支援においても、運動などの機能訓練を積極的に取り入れている施設が増えているため、今後は医療だけでなく療育の現場でも活躍が期待できるでしょう。
臨床心理士・公認心理師
臨床心理士や公認心理師は、子どもたちの心理的な問題に対するカウンセリングや心理療法を提供する専門職です。
臨床心理士が民間資格である一方で、公認心理士は心理系の資格で唯一の国家資格です。
臨床心理士の取得方法を確認していきましょう。
- 4年制大学を卒業する
- 日本臨床心理士資格認定協会が認定する大学院で心理学に関する専門的な内容を学ぶ
- 臨床心理士資格試験に合格する
公認心理士の資格取得方法は、以下のとおりです。
- 4年制大学で心理学に関する指定の科目について学習し、大学院でさらに専門的な科目を履修する
- 大学院卒業後に2年以上の実務経験を積む
- 国家試験に合格する
発達障がいのある子どもたちの不安やストレスに対する支援や、子どもを支える保護者のカウンセリングなど、心の健康を支える重要な役割を果たします。
児童発達支援士
児童発達支援士は、先ほど記載したように、一般社団法人「人間力認定協会」が認定する民間資格です。
発達障がいの特性に応じた適切な支援方法を学べるため、現場での支援力を高めることができます。
この資格は発達障害児支援士と同様に、認定講座を受講してからオンライン試験に合格することで資格の取得が可能です。
最終学歴や実務経験などの受験要件は必要ないため、発達支援に興味のある方も比較的受講しやすい資格でしょう。
子ども発達障害支援アドバイザー
子ども発達障害支援アドバイザーは、約3カ月ユーキャンの通信講座を受講することで得られる資格です。
講義動画を視聴した上で添削課題を提出し、認定試験に合格すると子ども発達障害支援アドバイザーの資格が認定されます。
この資格を保有していると、発達障がいのある子どもたちの対応や保護者の相談に応じることができます。
【まとめ】発達障害児支援士は国家資格ではない
発達障害児支援士は、日本発達障害支援協議会が認定する民間資格です。
認定講座を受講し、自宅で試験を受けることで資格を取得できるため、忙しい方にも比較的挑戦しやすいのが特徴です。
この資格を取得すると、発達障がいについての知識が増えるだけでなく、就職する際にも役立ちます。
実践的な内容を学ぶことができるため、これから発達支援の現場で活躍したい方におすすめの資格といえるでしょう。
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