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放課後等デイサービスQ&A
2023.12.06

児童指導員の資格はなくなる?児童指導員の現状と今後の需要を解説

児童指導員の資格はなくなる?児童指導員の現状と今後の需要を解説

児童指導員とは、発達障害を持つ子どもや家庭の事情により支援が必要な子どもに対してサポートを行っていく仕事です。最近では、児童指導員の仕事がなくなるのではないかと不安な方もいるようですが、実際はどうなのでしょうか?

この記事では、児童指導員の資格の現状と今後の需要・将来性について解説します。

この記事を読むことで、児童指導員の必要性や今後の児童指導員の役割がわかり、児童指導員を目指す方の不安を解消できるでしょう。

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児童指導員の配置が義務化された背景

児童発達指導員は、児童養護施設や放課後等デイサービスなどで配置が義務化されています。 ここでは、なぜ児童指導員が義務化されたのか、その背景について解説します。

適切な支援の提供とサービスの品質向上のため

放課後等デイサービスなどの福祉サービスは、利用者数の増加とともに事業所数も年々増加しています。一方で、利益ばかりを求めている事業所や適切なサービス提供ができていない事業所が増えているのも現状です。

そのことから、1人ひとりに合った適切な支援と支援の質を高めるために、児童指導員の配置が義務付けられました。

今後も増え続けると予想されている利用者に対し、どれだけ良質な支援を提供できるのかが課題となるでしょう。

専門性の向上のため

以前は、障害福祉サービスでの勤務経験があれば放課後等デイサービスで勤務できましたが、令和3年度の報酬改定により「保育士か児童指導員のみ」と義務化されました。つまり、以前より専門性の高い知識を持った職員の配置が義務付けられています。

支援を必要とする障がいのある子どもに対し、今後は専門的な知識を活かした適切な支援を行うことが、各事業所に求められています。

参考:厚生労働省『放課後等デイサービスのガイドライン』『令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容​​

児童指導員の現状

放課後等デイサービスが増えている一方で、児童指導員を取り巻く環境はまだまだ課題が残されています。

ここでは、児童指導員が働く労働環境などの現状について解説します。

給与面が低い

支援を必要とする利用者が増えている中、児童福祉に対する法整備や行政からの支援はまだまだ不十分なのが現状です。

国や行政からの金銭的な支援も十分でないため、他の職種と比べると給与面で低い傾向にあります。

令和4年9月の福祉・介護職員(常勤)の平均給与額と、他の職種の平均給与額の差を見てみましょう。

  • 福祉・介護職員:315,350円
  • 看護職員 :411,310円
  • 理学療法士・作業療法士:385,240円
  • 機能訓練担当職員(言語聴覚士含む):353,190円
  • 管理栄養士・栄養士:352,750円

このように、福祉・介護職員の平均給与額を他の職種と比べると、4〜10万円ほど低いことがわかります。

雇用形態も正社員での募集はあまりなく、パートやアルバイトなどを募集している事業所が多いようです。

発リンク:厚生労働省『令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果について

人手不足が問題視されている

児童指導員は給料が低いということもあり、どの事業所も人手不足が問題視されています。

放課後等デイサービスなどの福祉サービス事業所の中には、離職率が高い事業所も散見され、人材の確保が今後の課題となるでしょう。

長時間労働に追われる可能性がある

人手不足により1人ひとりの仕事量が増え、長時間労働に追われる可能性があります。1人あたりの負担も大きくなることで、精神的なストレスにつながることもあるでしょう。

今後、児童指導員が働きやすい労働環境を整えることも重要なポイントといえます。

児童指導員の今後の動向・需要

では、児童指導員が働く環境や待遇は、今後どのように改善されていく可能性があるのでしょうか?

児童指導員の今後の動向と需要について、詳しく解説します。

給与面などの待遇がよくなる可能性がある

児童指導員の給与面などの待遇は、年々改善されていく可能性があります。令和3年度には、以下のような報酬改定が行われました。

  • 基本報酬の体系の見直し(放課後等デイサービス)
  • 児童指導員等加配加算の見直し
  • ケアニーズの高い障がい児への支援及び専門職による支援の評価(個別サポート加算Ⅰ、Ⅱ 専門的支援加算)
  • 家族支援の充実強化を図るための加算の見直し
  • 支援の質を向上させるための従業者要件の見直し(一定の経過措置期間あり)

これらの加算により事業所自体の経営が安定し、給与面での改善が期待できるでしょう。

給与面が改善されることで人材の確保につながり、長時間労働などの課題もクリアになる可能性があるでしょう。

参考:厚生労働省『令和3年度障害福祉サービス等報酬改定

今後もますます需要は高まる

放課後等デイサービスや児童発達支援事業所は、利用者数、事業所数、サービスにかかる総費用全てにおいて上昇傾向にあります。

そのため、児童指導員の需要は今後も高まっていくことが期待できるでしょう。

需要の高まりとともに、きめ細やかな対応力や専門性が重視されていきます。障害に対する知識を深めることで、今後も即戦力として必要とされる人材になるでしょう。

参考:厚生労働省『障害児通所支援の現状等について

児童指導員になるための要件

児童指導員になるために必要な「児童指導員任用資格」を取得するには、以下のようなルートがあります。

  • 社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取る
  • 大学や大学院で専門課程を修了する
  • 教員免許を取る
  • 2年以上の実務経験を積む

これらのルートから児童指導員任用資格を取得することで、放課後等デイサービスなどの福祉サービス事業所での勤務が可能となります。

児童指導員になるための要件について、詳しくは「療育で活躍する児童指導員になるには?必要な資格や仕事内容を徹底解説」をご覧ください。

児童指導員が活躍する職場

児童指導員が勤務することのできる主な職場は、以下のとおりです。

  • 放課後等デイサービス
  • 児童発達支援事業所
  • 乳児院・児童養護施設
  • 障害者入所施設

この他にも、子どもや障がい児に関わる施設での求人も募集されています。それぞれの特徴を把握し、自分に合った施設選びが大切です。

児童指導員が活躍する職場と仕事内容について、詳しくは「療育で活躍する児童指導員になるには?必要な資格や仕事内容を徹底解説」をご覧ください。

もし児童指導員の資格がなくなったら

発達障害の子どもたちや支援が必要な子どもたちは今後増え続けると予想されています。しかし、もし児童指導員の資格がなくなってしまったら何が起こってしまうのでしょうか?

以下では、児童指導員の資格が廃止されてしまった場合に起こりうる可能性について解説します。

障がいのある子どもを支援できる受け皿がなくなる

児童指導員の資格がなくなってしまうと、福祉サービス事業所の運営ができなくなり、障がいのある子ども達や支援を必要としている子どもへのサービス提供ができなくなります。

福祉サービスを必要としている利用者は年々増加しているため、今後も受け皿になるサービスが必要です。

障がいのある子どもや支援が必要な子どもに対して将来的な自立をサポートする児童指導員の資格は、今後も継続していく必要があるでしょう。

適切な支援ができなくなる

仮に児童指導員に配置義務がなく運営を行った場合、専門性の低さから適切な支援が行われない可能性があります。

近年でもテレビを見せているだけ、ただ遊ばせているだけなどの不適切な支援を実施している事業所もあるようです。

このような状況の脱却のためにも、児童指導員の資格の必要性は高まっていくでしょう。

児童指導員の資格はなくならない【まとめ】

児童指導員は、発達障害を持つ子どもや家庭の事情により支援が必要な子どもに対し、サポートを行っていく仕事です。放課後等デイサービスや児童福祉施設などでの勤務が可能ですが、給与面の低さや長時間労働による心身の負担など、まだまだ労働環境に課題が残されています。

しかし、適切な支援を行うためには児童指導員の需要は今後もますます高まると予想され、専門性を活かした支援が求められます。

児童指導員が働きやすい労働環境を整え、適切な支援ができる事業所運営を行っていきましょう。

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