【放課後等デイサービスの加算】個別サポート加算・強度行動障がい児支援加算
児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援を運営するうえで、事業を黒字化し、安定した経営基盤を作ることはとても大切です。
そのためには、さまざまな加算や算定要件を把握しておくことが重要です。今回は、個別サポート加算と強度行動障がい児支援加算について解説していきます。スタッフの採用や配置、雇用形態を考える際のポイントにもなると思います。ぜひ参考にしてください。
TS assistは、児童発達支援・放課後等デイサービスに特化したコンサルタントとして、豊富な運営経験を活かした専門的な支援を提供いたします。200店舗以上のサポート実績に基づき、職員の信頼関係構築や業務効率化のための具体的な戦略を提案します。
各施設に合わせたカスタマイズサービスで、経営の安定と収益向上を目指しましょう。個別対応の細やかさと、Googleチャットを通じた迅速なコミュニケーションで、お気軽にご相談いただける体制を整えております。より良い療育の提供に向けて、TS assistはお客様の信頼できるパートナーであり続けます。
もくじ
個別サポ―ト加算とは
令和3年度の報酬改定によって、ケアニーズの高い児童に支援を行った場合の加算として、個別サポ―ト加算が新設されました。
個別サポ―ト加算にはⅠとⅡの区別があります。
それぞれに満たさなければならない要件が多く、項目のチェックなど難しく思えることもあるでしょう。
該当する児童の受給者証の発行と内容について確認も必要です。
加算単位としては、1日で100単位もしくは125単位となっているので、条件に当てはまる場合は、取得を検討したい加算です。
個別サポ―ト加算Ⅰの算定要件
著しく重度及び行動上の課題のあるケアニーズの高い障害児への支援を充実させることを目的に、児童発達支援の「乳幼児等サポート調査」、放課後等デイサービスの「就学児サポート調査」によって、一定の要件に該当する障害児を受け入れたことを評価する加算(個別サポート加算Ⅰ)が創設されました。
【個別サポ―ト加算Ⅰの算定要件】
児童発達支援 医療型児童発達支援 |
3 歳未満の場合 | 食事、排泄、入浴及び移動の項目で、全介助又は一部介助である項目が2以上 |
3 歳以上の場合 | 以下の①及び②に該当すること ① 食事、排泄、入浴及び移動の項目で、全介助又は一部介助である項目が1以上 ② 乳幼児等サポート調査 調査票⑤~⑪の項目でほぼ毎日(週5日以上)ある又は週に1回以上にチェックが1以上 |
|
放課後等デイサービス | 就学児 | 以下の➀又は②に該当すること ①食事、排せつ、入浴及び移動のうち3以上の日常生活動作について全介助を必要とするもの ②就学児サポート調査 調査票⑤~⑪の合計が 13 点以上 |
※重症心身障害児の場合 重心型事業所を利用した場合は、当該加算の対象にはなりません。例外として、重症心身障害児が非重心型事業所を利用し、重症心身障害児以外の基本報酬を算定することになる場合は、個別サポート加算Iも算定可能 |
※児童発達支援と放課後等デイサービスで要件が違うので注意してください。
▼調査実施上 の留意点はこちらも参考に
参考:厚生労働省『令和3年4月以降の5領域11項目の調査方法について』
【必須事項】個別サポ―ト加算Ⅰの保護者への説明
個別サポート加算Ⅰについては、事業所にはメリットがありますが、保護者側としてのメリットがあまりないという側面も指摘されています。
また、利用者の負担額が増加につながることもあります。そのため、加算を請求する場合は、保護者用資料を活用し保護者に説明することが必要です。
保護者の方への説明の際には、以下のことに注意しましょう。
・加算を算定するため、利用者負担額が増える可能性があることを説明する(上限額以上の負担にはならないことも説明)
・ケアニーズ高い障害児に対応する加算のため、説明を受けた保護者の方がショックを受けないよう気を付ける
保護者の方への説明の際は、信頼関係を築き、今後の協力体制や方向性についてもビジョン共有できると良いですね。
個別サポ―ト加算Ⅱの算定要件
こちらも、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に伴って新設された加算です。要保護児童又は要支援児童を受け入れた場合に、児童相談所や母子健康包括支援センター等の公的機関や、要保護児童対策地域協議会、医師との連携を行うことへの加算として申請できるものです。
要保護児童または要支援児童を受け入れた場合、
・児童相談所
・母子健康包括支援センター等の公的機関
・要保護児童対策地域協議会
・医師
との連携を行うことへの加算です。
算定要件を満たした要支援児童等が利用した日ごとに、当該要支援児童等に対して、所定単位数を算定します。
事業所が、当該利用者を要支援児童等と認識し、支援が必要だと感じても、保護者が同様に認識しているとは限りません。まずは、保護者に寄り添い相談援助等を行うなどして、保護者との信頼関係を構築していくことが第一歩です。
利用者の実情や保護者の支援の必要性等を把握しないまま、同意を保護者に求めると保護者も混乱してしまうことがあります。
当該利用者が要支援児童等に該当することや、養育環境等の問題等を伝える際は、十分な注意が必要です。伝え方によっては、かえって要利用者や保護者への支援が困難になってしまうこともあります。
信頼関係が築けていないままに加算の算定に関する同意を求めることは、保護者の不信感につながる可能性もあります。今後の事業活動にも悪影響を及ぼすこともあるので、まずは保護者との信頼関係を構築することを重視しましょう。
参考:厚生労働省『個別サポート加算(Ⅱ)の趣旨等について』
強度行動障がい児支援加算とは
強度行動障害児支援加算とは、強度行動障害を持っている児童(就学児)を対象に、強度行動障害支援者養成研修修了者がサービスを提供した時に算定することができる加算です。
強度行動障害とは、「精神科的な診断として定義される群とは異なり、直接的他害(噛み付き、頭突き等)や、間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持等)、自傷行為等が通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しく処遇の困難な者であり、行動的に定義される群」、「家庭にあって通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても著しい処遇困難が持続している状態」と定義されています。
強度行動障害児支援加算の算定要件
事業所が強度行動障害児支援加算を算定するには、以下の要件を満たす必要があります。
強度行動障害児支援加算確認票、スコアの内容を確認
『厚生労働大臣が定める基準に適合する強度行動障害を持つ児童』とは、行動障害の区分と行動障害が見られる頻度に応じて、以下の強度行動障害児支援加算確認票によりスコアの合計が『20点以上』であることを市町村が認めた児童を指します。
行動障害の内容 | 1点 | 3点 | 5点 |
ひどく自分の体を叩いたり傷つけたりする等の行為 | 週に1回以上 | 1日に1回以上 | 1日中 |
ひどく叩いたり蹴ったりする等の行為 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | 1日に頻回 |
激しいこだわり | 週に1回以上 | 1日に1回以上 | 1日に頻回 |
激しい器物破損 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | 1日に頻回 |
睡眠障害 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 |
食べられないものを口に入れ たり,過食,反すう等の食事に 関する行為 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 | ほぼ毎食 |
排せつに関する強度の障害 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 |
激しい多動 | 月に1回以上 | 週に1回以上 | ほぼ毎日 |
通常と違う声を上げたり,大声を出す等の行動 | ほぼ毎日 | 1日中 | 絶えず |
沈静化が困難なパニック | ー | ー | あり |
他人に恐怖感を与える程度の粗暴な行為 | ー | ー | あり |
強度行動障害児支援加算の単位数
155単位/1日
強度行動障害児支援加算の留意事項
重症心身障害児に対して、指定放課後等デイサービスを行う際の基本報酬を算定している場合には、強度行動障害児支援加算を算定できません。
まとめ
今回は、個別サポート加算と強度行動障がい児支援加算について解説しました。事業所の運営・管理を行う上で、このような加算について把握しておくことは大切ですが、日々の業務に追われ、うっかり見落としていたり、手続きが負担になっていることもあるかと思います。あいまいな知識で、場当たり的に申請していると、月ごとの細かい見直しも必要になってきます。
事業を運営していくためには、中・長期的な見通しと、戦略的な人員配置や採用が必要です。TS assistでは事業所の状況に合わせたサポートを行っております。ぜひご相談ください。
TS assistは、児童発達支援・放課後等デイサービスに特化したコンサルタントとして、豊富な運営経験を活かした専門的な支援を提供いたします。200店舗以上のサポート実績に基づき、職員の信頼関係構築や業務効率化のための具体的な戦略を提案します。
各施設に合わせたカスタマイズサービスで、経営の安定と収益向上を目指しましょう。個別対応の細やかさと、Googleチャットを通じた迅速なコミュニケーションで、お気軽にご相談いただける体制を整えております。より良い療育の提供に向けて、TS assistはお客様の信頼できるパートナーであり続けます。