放課後等デイサービスの処遇改善加算とは?徹底解説
処遇改善加算は、福祉・介護の現場での賃金向上を目的とした制度です。もとは「福祉・介護人材の処遇改善助成金事業」としてスタートした制度が、「福祉・介護職員処遇改善加算」となったのち、「福祉・介護職員等特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」が創設されました。
この記事では、多くの放課後等デイサービスにとって活用価値が高い、処遇改善加算について解説していきます。
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もくじ
処遇改善加算(福祉・介護職員処遇改善加算)とは
処遇改善加算はスタッフの賃金アップに使える加算です。職場環境の改善やキャリアアップの仕組みづくりなどの要件を満たすと算定できるものです。
ここでは、全体のイメージを見てみましょう。
処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)
厚生労働省「処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の概要」より引用
参考:厚生労働省『処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の概要』
上記のように、加算率は、処遇改善加算Ⅰ~Ⅲに分別されています。加算率が高い(交付される金額が大きい)ほど満たすべき要件が増えていきます。
このほかに、職員の月額賃金改善を目的とした「特定処遇改善加算(福祉・介護職員等特定処遇改善加算)」「ベースアップ等支援加算(福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算」もあります。
サービス向上にもつながるメジャーな加算
処遇改善加算とは、加算された額と事業所の負担額を合算して、職員の賃金向上に充てるものです。事業所の直接的な収益にはなりませんが、事業所の負担を軽減しながら職員の待遇を改善できるものです。職員の満足度やサービスの向上にもつながるため、ぜひ活用したい加算です。
「処遇改善加算」と「特定処遇改善加算」はどう違う?
処遇改善加算と特定処遇改善加算は、どちらも職員の賃金UPが目的です。それぞれ要件や運用の違いもありますが、大きく違うのは、その対象者です。
処遇改善加算は指導員や児童指導員など、直接支援を目的に配置された職員が対象です。
そして、特定処遇改善加算はサービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)や事務員など、処遇改善加算では対象外の職員も対象になります。
処遇改善加算の手続きとポイント
処遇改善加算の関連書類の手続きや要件のチェックなどは、慣れるまではとても煩雑に感じるかもしれません。
ここからは、手続きの流れを説明していきます。
処遇改善加算に必要な書類
処遇改善加算の手続きでは以下の書類を作成する必要があります。
- 処遇改善計画書
- 実績報告書
また、事業所としては賃金改善のほかに、人事評価や研修計画、職場環境の改善などの分野から取組む内容を定める必要があります。
労働関連の法令遵守と労働保険料の納付も必須です。
処遇改善計画書とは?
処遇改善計画書には、定めた取り組みを実現するための具体的な金額や施策を記載するものです。
実績報告書とは?
実績報告書は、処遇改善加算が事業所内で適切に運用されたかを確認するものです。加算の対象期間が終了した後に提出する必要があります。
書類作成と保管のPoint
上記の書類を作成し、適切に保管することが必要です。
実地指導の際には、就業規則や給与明細、会議録などの確認を求められる場合もあります。関連資料や書類などは、求められたら提示できるように、適切に管理・保存しておくことが大切です。
処遇改善加算の要件を確認
ここからは、放課後等デイサービスでの処遇改善加算の要件について見ていきましょう。
参考:厚生労働省『処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の概要』
キャリアパス要件とは
福祉業界では以前はスタッフの評価・育成の制度が整備されていないことが課題とされてきました。そんな状況を改善するために設けられたのがスタッフのキャリアの道筋を立て、整備するのがキャリアパス要件です。
職場環境等要件とは
職場環境等要件は、賃金UPを除く方法で、職場環境などを改善するための要件です。
詳しい要件を見ていきましょう。
上記は6つのカテゴリーに分けられていますが、この中から以下の条件を満たす必要があります。
福祉・介護職員処遇改善加算:以下のうちから1つ以上取り組んでいる
福祉・介護職員等特定処遇改善加算:以下の6つの区分から3つの区分を選択し、それぞれで1つ以上取り組んでいる
処遇改善加算は分配も重要!
処遇改善加算は賃金の向上を目的とした制度です。交付金は賃金に上乗せしてスタッフに支給することが必要です。従来の賃金を処遇改善加算で補填するような使い方はできません。
交付金の分配は、実績報告書で月額の賃金改善額の総額として記載する必要があります。
この際、要件を満たさない場合は加算の返還になることもあるので、注意しましょう。
Point1分配方法に認められないものもある
分配方法は、基本給のベースアップや処遇改善手当、賞与、一時金などです。
福利厚生費や退職手当、交通費、研修費等は認められません。
Point2加算要件によって、対象者が違う
処遇改善加算の場合は、福祉・介護職員、つまり直接利用者に関わる人が対象になります。
特定処遇改善加算の場合は、経験・技能のある障害福祉人材、ほかの障害福祉人材、その他の職種も対象になります。
Point3行政によって見解も変わる
対象による職種については、事業所判断によって柔軟な運用が認められています。ただ、行政によって見解は分かれるので、個別のケースは確認するようにしましょう。どんな場合も、関連資料や根拠書類などはきちんと管理・保存しておくことが大切です。
まとめ
処遇改善加算は職員の皆さんの賃金改善になり、スタッフのスキル向上やモチベーションアップにもつながります。働き続けたい職場として、スタッフの定着も見込めます。
キャリアパスや職場環境も含めた、事業の方向性を検討する良い機会にもなります。
要件や算定方法などに疑問や不安があれば、TS assistが現状を確認しご提案させていただきます。
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