放課後等デイサービスの仕事はきつい？その理由と働くメリット・デメリットを解説

放課後等デイサービスは、障がいのある児童に対し、療育などの支援を行う福祉サービスです。

今後ますます需要が高まる放課後等デイサービスですが、実際に勤務している職員の中には「仕事がきつい」と感じている方も多いようです。

この記事では、放課後等デイサービスでの勤務がきついといわれている理由と、働くメリット・デメリットを解説します。

この記事を読むことで、どのような人が向いている仕事なのかを知ることができ、放課後等デイサービスで勤務する際の参考になるでしょう。

放課後等デイサービスの仕事内容と1日の流れ

放課後等デイサービスは、学校終了後の放課後と夏休みや冬休みなどの長期休暇に児童を預かり、支援を行っています。

放課後等デイサービスの基本的な1日の流れを見ていきましょう。

1. 子どもの受け入れ
2. 始まりの会
3. おやつや昼食の提供
4. 個別プログラムの実施
5. 集団プログラムやレクリエーションの実施
6. 片付け・帰りの会
7. 子どもの見送り（送迎）

1人ひとりの障がいの特性に合わせた個別プログラムや、集団で行うレクリエーションなどの立案・実施が主な仕事内容です。

また、子どもとの関わりだけでなく、保護者との面談や事務作業などの仕事も同時に行っていきます。

参考：厚生労働省『放課後等デイサービスガイドライン』

放課後等デイサービスの仕事がきついと思う理由

放課後等デイサービスで勤務する職員の中には、仕事内容がきついと感じている人もおり、離職につながってしまう場合があります。

放課後等デイサービスの仕事はなぜきついといわれているのか、その理由を具体的に解説します。

子どもとの接し方や支援方法の難しさ

放課後等デイサービスは、さまざまな障がいを持つ子どもが利用しています。

1人ひとり障がいの特性が違うため、子どもとの接し方に難しさを感じてしまうこともあるでしょう。

また、支援方法に正確な答えはないため、適切な支援ができているのか不安になってしまう人もいます。

特に知識や経験が浅いうちは、自信が持てずに悩むことも多いでしょう。

体力面での負担が大きい

障がいによっては、多動傾向のお子さんや活発なお子さんもいます。そのため、放課後等デイサービスの勤務がきついと感じる原因に、体力的な負担が大きいという点が挙げられます。

特に長期休暇時は朝から夕方までの利用になるため、身体的な疲労を感じる方も多いでしょう。

トラブルが多く精神的な疲労がある

さまざまな障がいのある子どもを預かる放課後デイサービスでは、子ども同士のトラブルがつきものです。

予想外のトラブルへの対応や事故のないように配慮し続けることで、精神的に疲れてしまうこともあるでしょう。

また、保護者からの苦情やクレームにも真摯に対応しなければなりません。支援方法の悩みに加え、保護者の対応の難しさにストレスを抱えてしまう人もいます。

人手不足による1人ひとりの負担の増大

放課後等デイサービスに限らず、福祉業界は需要の高まりとは反対に慢性的な人手不足が続いています。

そのため、1人ひとりの仕事の負担が増え、辛さを感じてしまうこともあるようです。

職員の入れ替わりが多い場合にも、新人が仕事に慣れるまでの間は既存の職員の仕事量が一時的に増えてしまうでしょう。

事務作業が多い

子どもの支援だけでなく、連絡帳の記入や報告書の作成なども仕事の1つです。このような事務作業を、子どもの支援と並行して行わなければならない時もあります。

普段の仕事に加えて事務作業が重なるため、仕事がきついと感じてしまう人もいます。

スタッフ同士の人間関係

どの職業でもいえることですが、一緒に働くスタッフ同士の人間関係はとても重要です。

特に放課後等デイサービスなどの福祉サービスは、スタッフ間で協力して仕事を行っていくことが多いため、人間関係での悩みは離職につながることもあります。

給料面の低さ

放課後等デイサービスは、他の業界の年収と比べて低いといわれています。

福祉業界の給料の低さは改善傾向にありますが、まだまだ課題の残るところでしょう。

放課後等デイサービスで働くメリットとデメリット

放課後等デイサービスでの勤務は、つらいことばかりではありません。メリットとデメリットを理解し、自分に合った働き方ができればとてもやりがいのある仕事です。

ここでは、放課後等デイサービスで働くメリットとデメリットを解説します。

放課後等デイサービスで働くメリット

放課後等デイサービスで働く一番のメリットは、子どもの変化や成長を近くで感じられることです。

支援を続ける中で今までできなかったことができるようになる、心を閉ざしていた子どもが心を開いてくれるなど、働く中でやりがいを感じられるでしょう。

また、放課後等デイサービスは、保護者と共に協力して支援を続けていく場です。そのため、支援によって子どもの成長を感じられた時などに、保護者から「ありがとう」と感謝されることがあります。

保護者との良好な関係が築ければ、仕事のやりがいにもつながるでしょう。

放課後等デイサービスで働くデメリット

放課後等デイサービスで働く一番のデメリットは、先ほど解説した体力面や精神面でのつらさです。

6歳から18歳までの児童の支援を行うため、体力的な負担が大きくなってしまいます。また、支援方法の悩みや保護者対応などで、精神的疲労を感じる人もいるでしょう。

放課後等デイサービスの仕事が向いている人は？

放課後等デイサービスでの仕事は、やりがいもあれば大変なことも多い仕事です。

では、どのような方が放課後等デイサービスの仕事に向いているのでしょうか？向いている人の特徴について解説します。

子どもと関わることが好きな人

放課後等デイサービスは、子どもの支援に携わる仕事なので、子どもが好きな人が向いているといえます。

子どもに寄り添い、気持ちを理解することで、より良い支援につながっていきます。

児童福祉に興味がある人

放課後等デイサービスは、福祉サービスの1つです。そのため、児童福祉に興味があり、支援が必要な児童へ適切な配慮ができる人が向いています。

共感力が高い人

放課後等デイサービスに通う子どもは、さまざまな障がいを持ち、その特性も異なります。

そのため、子ども1人ひとりの特性を理解し、子どもの気持ちに寄り添える高い共感力を持つ人におすすめの仕事です。

体力のある人

多動の障がいがある子どもと関わったり、支援の中で体を動かしたりと、放課後等デイサービスでの勤務は体力を使います。

子どもと遊ぶことが好きで、体力に自信があるということも、この仕事に必要な条件です。

人の役に立ちたいと思っている人

障がいのある子どもの役に立ちたい、障がいがある中でも社会で生きやすくなってほしいなど、人のために何かお手伝いがしたいと思っている人は放課後等デイサービスの仕事が向いています。

この気持ちがあれば、子どもの気持ちを深く理解し、寛大な心で支援できるでしょう。

放課後等デイサービスに向いている人の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事：放課後等デイサービスのスタッフに向いている人の5つの特徴とは？【事業者必見！】

放課後等デイサービスの仕事はきついがやりがいがある【まとめ】

放課後等デイサービスは、障がいのある児童を学校終了後の放課後と長期休暇中にお預かりし、支援する福祉サービスです。

放課後等デイサービスの仕事がきついといわれている理由には、支援方法の難しさや体力面や精神面のきつさが挙げられます。しかし、子どもの成長を間近に感じられたり保護者から感謝されたりと、やりがいを感じることも多い仕事です。

また、子どもが好きな人や共感力の高い人、人の役に立ちたいと思っている人は、放課後等デイサービスの仕事に向いているといえます。

放課後等デイサービスの仕事内容ややりがい、大変さを理解した上で、放課後等デイサービスでの勤務を検討しましょう。