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保育所等訪問支援Q&A
2024.03.15

【令和6年最新】保育所等訪問支援の加算・減算一覧!算定要件について解説

【令和6年最新】保育所等訪問支援の加算・減算一覧!算定要件について解説

保育所等訪問支援は、障がい児通所支援の1つです。しかし、放課後等デイサービスや児童発達支援とは違い、あまり聞き慣れない事業でどのような支援を行っているのかわからない方も多いでしょう。

この記事では、令和6年2月の最新の報酬改定内容をもとに、保育所等訪問支援の概要や算定できる加算と減算要件について解説します。

この記事を読むことで、保育所等訪問支援事業の最新の改定内容を把握でき、適切な支援を提供できるでしょう。

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保育所等訪問支援とは?

保育所等訪問支援とは、保育所や幼稚園・小学校等を訪問し、障がいのある子どもに対し支援を行うサービスです。

ここでは、保育所等訪問支援の概要と、保育所等訪問支援事業の現状について解説します。

保育所等訪問支援の概要

保育所等訪問支援は、専門的な支援が必要な障がい児が、保育所や幼稚園、小学校や特別支援学校、認定こども園などで集団生活を送れるように支援するサービスです。

事業内容は、障がいのある子どもが集団生活を送る施設を訪問し直接子どもに対して支援する「直接支援」と、施設の先生方がどのように障がい児に関わっていけばよいかなど対応の相談に応じる「間接支援」があります。

障がいのある子どもは、集団生活においてさまざまな困難が生じる可能性があるでしょう。子どもがどのようなことに困っているのか、施設側は障がい児に対してどのような配慮が必要なのかなど、障がい児が安心して生活を送れるように支援の実施が求められています。

参考:厚生労働省『保育所等訪問支援に係る報酬・基準について≪論点等≫

保育所等訪問支援の現状

令和5年度国保連のデータによると、保育所等訪問支援の事業所数は1,639、利用所数は18,234人となっています。

放課後等デイサービスの事業所数が19,687、利用者数が309,303人のため、まだまだ事業所数と利用者が少ないのが現状です。

しかし、令和6年の報酬改定で、子育て支援と障がい児支援が双方向から密に連携を取り合えるような地域の体制作りを行っていくべきとの方針が示されました。

障がい児の数も年々増加傾向にあるため、今後は保育所等訪問支援の必要性が高まることが予想されます。

参考:こども家庭庁『障害児支援施策について

保育所等訪問支援の主な加算

保育所等訪問支援は、専門職の配置や要件を満たしたサービスを提供した場合に、加算の取得が可能です。

ここでは、保育所等訪問支援で取得できる加算について解説します。

参考:厚生労働省『令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容

訪問支援員特別加算

訪問支援員特別加算は、障がい児支援の業務に従事した経験のある保育士や作業療法士などの職員を配置している場合に算定できる加算です。

今回の報酬改定で、職員を配置するだけでなく専門的な視点からの支援の実施を行うことや、経験のある訪問支援員に対する評価が見直されました。

  • 業務従事10年以上(または保育所等訪問等5年以上)850単位/日
  • 業務従事5年以上(または保育所等訪問等3年以上)700単位/日

初回加算

児童発達支援管理責任者が、初回または初回月に保育所などの訪問先との事前調整やアセスメントに同行した場合、月に200単位を算定できる加算です。

同行訪問をしたという記録を取っており、過去6カ月の間に同じ事業所を利用していないことが、算定の要件になります。

家庭連携加算

居宅への訪問による相談援助や事業所内での相談援助、またはオンラインによる相談援助を行った場合に算定できる加算です。

個別での支援とグループでの支援で単位数が異なり、どちらも月に4回まで加算の取得が可能です。

個別の相談援助

  • 居宅訪問300単位(1時間未満200単位)/回
  • 施設等で対面100単位/回
  • オンライン80単位/回

グループでの相談援助

  • 施設等で対面80単位/回
  • オンライン60単位/回

利用者負担上限管理加算

育所等訪問支援事業所が通所給付決定保護者から依頼を受け、利用者の負担額合計額の管理を行った場合に算定できる加算です。

単位数は1回150単位で、月1回を上限としています。

福祉・介護職員処遇改善加算

障がい福祉サービスに従事する職員に対して、賃金の向上や労働環境の向上、キャリアアップを目的に創設された加算です。

令和6年の法改正により、福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算の要件や加算率を組み合わせた4段階に一本化されることとなりました。

改定された新たな福祉・介護職員処遇改善加算では、加算・賃金改善額の職種間配分ルールを統一することなど、事業所内で柔軟な配分を行うことが認められています。

新加算Ⅰ〜Ⅳの算定要件は、以下のとおりです。

  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅰ:Ⅱの要件に加え、事業所内の経験・技能のある職員を一定以上の割合で配置している
  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅱ:Ⅲの要件に加え、改善後の賃金年額440万円以上が1人以上、職場環境のさらなる改善や見える化を行っている
  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅲ:Ⅳに加え、資格や経験に応じた昇給の仕組みの整備を行っている
  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅳ:職場環境の改善や賃金体系等の整備、研修の実施

このうち、保育所等訪問支援事業所で取得できるのはⅠ・Ⅲ・Ⅳの3つです。3つの加算率は以下のとおりです。

  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅰ:12.9%
  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅲ:11.8%
  • 福祉・介護職員処遇改善加算Ⅳ:9.6%

新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、新加算Ⅳの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることとされています。

多職種連携支援加算

訪問支援員特別加算の対象となる訪問支援員と、職種の異なる職員が複数人で連携し、訪問支援を行った場合に算定できる加算です。この加算は、令和6年度の報酬改定により新設されました。

単位数は1回200単位で、月1回までを上限としています。

ケアニーズ対応加算

訪問支援員特別加算の対象となる訪問支援員を配置し、重症心身障がい児や重度の障がい児、医療的ケア児などに支援を実施した場合に算定できる加算です。

この加算は、ケアニーズの高い障がい児への包括的な支援を評価する目的で新設されました。

単位数は、1日につき120単位となっています。

強度行動障害児支援加算

強度行動障害児支援加算は、ケアニーズ加算と同様の目的で新設された加算です。

実践研修終了者を配置した上で、強度行動障がいを有する児童の支援計画を作成し、基礎研修または実践研修終了者が支援を実施することで算定できます。

単位数は、1日につき200単位です。

保育所等訪問支援の主な減算

施設基準を満たしていない場合や書類の不備があった場合は、基本報酬から一定の金額を差し引く減算の対象になります。

ここでは、保育所等訪問支援で減算の対象になる項目について解説します。

個別支援計画未作成減算

個別支援計画等が作成されていない場合や、個別支援計画の作成に関わる一連の業務が適切に行われていない場合、該当の月からその状態が解消される月まで減算の対象になります。

  • 減算適用1月目から2月目:所定単位数より30%減算
  • 減算適用3月目:所定単位数より50%減算

同一日同一場所提供減算

同じ日に同じ場所で複数の障がい児に対して支援を行った場合、所定単位数の93/100を減算されます。

しかし、保育所等訪問支援と他の障害児通所支援を同じ日に利用した場合の算定は可能です。

身体拘束廃止未実施減算

身体拘束適正化のために、事業所ではいくつかの措置を行う必要があります。

  • やむを得ず身体拘束などを行う場合は、その態様や時間、利用者の心身の状況、やむを得ない理由などの必要な事項を記録すること
  • 身体拘束適正化検討委員会を定期的に開催し、その結果について従業者に周知徹底を図ること
  • 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること
  • 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること

これらの必要な措置が行われていない場合、所定単位数より1%減算されます。

保育所等訪問支援の主な加算・減算一覧【まとめ】

保育所等訪問支援は、障がい児が通う保育所や幼稚園・小学校を訪問し支援を行うサービスです。障がい児が集団生活の中で抱えている問題を把握し、障がい児本人や職員に対して支援を実施します。

保育所等訪問支援事業では、専門職の配置や要件を満たしたサービスを提供した場合に加算の取得が可能です。反対に、基準を満たしていない場合や必要な書類を作成していない場合は、減算の対象になることがあるため注意が必要です。

保育所等訪問支援事業は、今後ますます必要性が高まると予想されています。事業内容とともに、取得できる加算や減算対象になる要件について把握し、専門性の高いサービス提供を実施していきましょう。

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