【令和6年度報酬改定】支援プログラム未公表減算とは?目的や留意点を解説
支援プログラム未公表減算は、令和6年度報酬改定に伴い新たに導入された制度です。
しかし、支援プログラムの公表方法や、どのような場合に減算の対象になるのかわからない方も多いでしょう。
この記事では、支援プログラム未公表減算の概要や留意点を解説します。
この記事を読むことで、支援プログラムの正しい作成方法を知ることができるでしょう。
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もくじ
支援プログラム未公表減算とは
今後義務化される支援プログラム未公表減算に対応していくためには、制度の詳しい内容を知る必要があります。
ここでは、制度の概要や目的、対象事業などを解説します。
支援プログラム作成・公表の未実施による報酬の減算
支援プログラム未公表減算とは、障がい福祉サービス事業所において利用者の支援プログラムを作成・公表していない場合に報酬を減算する制度です。
そのため、利用者一人ひとりに合わせて提供するサービスに応じた支援プログラムを策定し、適切に公表する必要があります。
これにより、総合的な支援の実施に繋がるだけでなく、事業所の取り組みもわかりやすく伝えられるようになるでしょう。
参考:こども家庭庁『令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)の改定事項の概要について』
対象事業
支援プログラム未公表減算の対象となるのは、以下の事業です。
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 居宅訪問型児童発達支援
各事業所は、利用者や家族の要望を元に、事業所の従業員の意見を聞きながら適切な支援プログラムの作成が求められます。
支援プログラム作成の目的
支援プログラムの作成は、事業所における総合的な支援の推進と、事業所が提供する支援の見える化を図ることを目的としています。
これにより、特定の支援だけでなく5領域を網羅した総合的な支援の実施が必要です。
また、事業所での取り組みを見える化することで、利用者がサービスを選択する際の手掛かりとなるでしょう。
放課後等デイサービスにおける支援プログラムの作成・公表
支援プログラムは、本人の特性を把握しつつ事業所の特色を生かしたプログラム作成が重要です。
ここでは、作成のポイントや具体的な作成例、公表方法を解説します。
5領域とのつながりを明確にした支援プログラムの作成
支援プログラムは「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域の内容を意識して作成する必要があります。
それぞれの項目ごとに、支援内容と作成例をみていきましょう。
「健康・生活」
「健康・生活」は、健康状態や生活面のリズム形成を目的としています。
- 健康状態の維持・改善
- 生活習慣や生活リズムの形成
- 基本的生活スキルの獲得
- 生活におけるマネジメントスキルの育成
具体的な作成例を見ていきましょう。
- 毎日の検温・手洗いうがい・身だしなみをチェックする
- 持ち物の整理整頓・管理をできるようにする
- 調理などの活動から多様な食材に触れ、楽しみながら食育を行う
- 1日のスケジュールを把握し、時計を見て行動できるようにする
まずは子どもの特性に合わせて小さい目標を設定し、少しずつ日常生活でできることを増やしていけるように支援していきましょう。
「運動・感覚」
「運動・感覚」は、感覚統合と運動スキルの発達を促進する重要な取り組みです。
- 姿勢と運動・動作の向上
- 姿勢と運動・動作の補助的手段の活用
- 保有する感覚の総合的な活用
具体的な作成例を見ていきましょう。
- 片足立ちや障がい物を設定した歩行トレーニングでバランス感覚を養う
- 折り紙やひも通しなどの指先の感覚を刺激する遊びを行う
- 義足を使用し安全に移動ができるようにする
- イヤーマフの使用など感覚過敏に配慮した環境を設定する
今ある機能を生かし、トレーニングや環境設定でさらなる向上を目指す支援内容を設定しましょう。
「認知・行動」
「認知・行動」は、認知機能の発達と適応的な行動の獲得を目的としています。
- 認知の発達と行動の習得
- 空間・時間、数等の概念形成の習得
- 対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得
具体的な作成例を見ていきましょう。
- カードゲームなどでルールを理解しながら記憶力のトレーニングをする
- 工作を順序立てて進められるようにする
- 状況に合わせて優先順位を考え行動できるようにする
- 自分の感情をコントロールできるようにする
複雑な情報を段階的に理解し、状況に合った適切な行動ができるよう、子どもが楽しく取り組める内容を意識しましょう。
「言語・コミュニケーション」
「言語・コミュニケーション」は、言語理解力の基本的発達やコミュニケーション能力の向上を目的としています。
- 言語の形成と活用
- 言語の受容および表出
- コミュニケーションの基礎的能力の向上
- コミュニケーション手段の選択と活用空間・時間、数等の概念形成の習得
具体的な作成例を見ていきましょう。
- 絵カードや写真を用いて言葉を使った遊びをする
- 物語を読んで登場人物の感情を理解する
- グループ活動を通じてコミュニケーション能力を養う
- 日常の場面を想定したロールプレイングを実施する
言語・コミュニケーションの支援は、集団で行うことで効果が得られる可能性があります。
また、表情や身振り手振りによる言葉以外のコミュニケーション方法も身につけていけるとよいでしょう。
「人間関係・社会性」
「人間関係・社会性」は、対人関係能力の向上と社会参加に必要なスキルの獲得を目的としています。
- 他者との関わり(人間関係)の形成
- 自己の理解と行動の調整
- 仲間づくりと集団への参加
具体的な作成例を見ていきましょう。
- 役割を決めてごっこ遊びを楽しめるようにする
- 他者紹介など他者を知るための活動を行う
- 小グループでの遊びや集団活動に参加する
- 職業訓練や職場体験を行う
このプログラムは、年齢によってプログラムの内容が大きく変わる分野なので、一人ひとりの状況に合った内容で作成しましょう。
支援プログラムの公表方法
事業所のホームページやSNSへの掲載、事業所内での掲示、利用者や保護者への直接配布、重要事項説明書への記載など、複数の方法があります。
事業所の提供する支援内容をわかりやすく公表することで、支援を必要とする子どもや家族がサービスを選択する際に役立つでしょう。
支援プログラム未公表減算の対象にならないためには
減算を避けるためには、適切な支援プログラムの作成と届出が必要不可欠です。
ここでは、減算の対象にならないために把握しておきたい事項を確認していきましょう。
支援プログラムの届出を必ず行う
支援プログラムは、作成・公表すると共に、公表方法と内容を都道府県に届け出る必要があります。
減算は、届出がされていない月から届出が行われた月まで、利用者全員が減算対象です。
届出が済んでいない事業所は、速やかに手続きを行いましょう。
多機能型事業所は事業ごとに支援プログラムを作成する
多機能型事業所は、2つ以上の障がい福祉サービスを同一の敷地内で一体的に提供する事業所です。
しかし、提供しているサービス内容は異なるため、それぞれの事業に合わせて作成と公表を行いましょう。
よくある質問
支援プログラムの概要を解説してきましたが、減算の割合や制度が適応される時期について疑問が残っている方もいるでしょう。
ここでは、支援プログラム未公表減算に関するよくある質問を解説します。
支援プログラムの公表は義務ですか?
令和6年度の報酬改定以降、支援プログラムの公表は義務となります。
公表しない場合は減算の対象となるため、事業所は適切に対応する必要があるでしょう。
放課後等デイサービス支援プログラムの減算は?
放課後等デイサービスで支援プログラムの作成・公表を行っていない場合、基本報酬の85%を算定(15%を減算)することとされています。
減算の対象にならないためには、5領域との関連性を明確にした支援プログラムの作成と、都道府県への届出を確実に行いましょう。
支援プログラム未公表減算の施行はいつから?
令和7年4月1日より施行されます。
ただし、1年の経過措置期間が設けられており、令和7年3月31日までは努力義務なので、来年度に向けて今のうちから準備を進めておきましょう。
【まとめ】支援プログラム未公表減算の施行は令和7年4月1日から
支援プログラム未公表減算は、障がい福祉サービス事業所の支援の質と透明性を高めるための重要な制度改正です。
事業所は、令和7年4月1日の施行に向けて適切な準備を進める必要があります。
今回解説した内容をしっかりと把握することで、利用者一人ひとりに寄り添った質の高い支援が実現できるでしょう。
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