常勤換算の計算を簡単にする方法|障がい福祉サービス事業所における計算方法や注意点を解説
障がい福祉サービスでは、必要な常勤換算人数を把握した上で運営をする必要があります。
しかし、常勤だから正社員の人数を数えればいいのでは?と間違った知識を持っている方もいるでしょう。
この記事では、常勤換算の計算方法と計算をする際の注意点について解説します。
この記事を読むことで、常勤換算の必要性を把握でき、適切な事業所運営につながるでしょう。
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常勤換算の計算を簡単にする方法
常勤換算は、初めての方でもいくつかの手段を用いることでスムーズに計算が可能になります。
ここでは、計算を簡単に行う方法をいくつか紹介します。
エクセルで勤怠管理を行い勤務時間の集計をする
エクセルを使って勤怠管理を行うと、勤務時間の集計が簡単になります。
インターネットで検索すると、エクセルの勤怠管理表のテンプレートを入手できるため、1から作成する手間を省けるでしょう。
スタッフの雇用形態に合わせて計算式を調整することで、正確な勤務時間の集計が可能です。
厚生労働省の常勤換算計算シートを使用する
どのように勤務体制の管理をしていけばよいか迷っている方は、厚生労働省が提供する常勤換算計算シートを使用して計算しましょう。
このシートでは、1週間の所定労働時間やサービス種別、従業者情報などを入力するだけで、自動で計算が可能です。
利用方法も記載されているため、初めての方でも迷わずに使用できます。
参考:厚生労働省『「常勤換算従事者数の計算補助ツール」の利用方法』
常勤換算の自動計算ツールを利用する
複雑な計算を間違いのないように行うためには、自動計算ツールの活用もよいでしょう。
利用するツールによっては、配置基準や加算要件のチェックができるものや、スタッフのシフトを自動的に生成できるものもあります。
特に、加算を取得するには必要な人員配置が決められているため、こちらも合わせて管理したい方におすすめです。
常勤換算とは
全スタッフの労働時間が、常勤のスタッフの何人分にあたるかを示した指数です。
ここでは「常勤」の定義と常勤換算をする理由について解説します。
障がい福祉サービス事業所における「常勤」の定義は?
雇用契約上の所定労働時間が、事業所の定めた常勤が勤務すべき時間数に達している者を指します。
基本的には、週40時間に達していれば常勤となりますが、この定義は事業所によって異なります。
しかし、令和6年度障がい福祉サービス報酬改定により、育児・介護などの短時間勤務制度を利用する者は週30時間以上の勤務で常勤として扱われることとなりました。
また、パートタイムでも1日8時間・週5日の勤務で、週に2日休みが確保されている者は、常勤とみなされます。
参考:厚生労働省『人員配置基準等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)』
常勤換算をする理由
常勤換算は、定められた人員配置基準を満たすために把握する必要がありますが、なぜ人員配置基準が設けられたのでしょうか?
その背景と人員配置基準に違反したときの罰則について解説します。
人員配置基準が設けられた背景
利用者に一定水準以上のサービス提供ができる環境を整えるために設けられた制度です。
福祉業界では、慢性的な人手不足が課題となっており、サービスの質の低下やスタッフの負担増大が懸念されています。
特に介護や福祉の現場では、一人ひとりの状態に合わせた対応が必要になるため、人員の確保は利用者の機能向上や安全面への配慮に直結します。
人員不足によるトラブルが起きる前に、人員配置基準に沿った体制作りが必要でしょう。
人員配置基準に違反した場合の罰則は?
定められた人員配置基準に違反した場合、認定取り消しや業務停止などのペナルティが科されることがあります。
事業所自体の運営ができなくなると、そこで働くスタッフの生活にも影響が生じてしまいます。
規則を遵守した正しい事業所運営は、スタッフや利用者を守ることにもつながるため、適切な人員を確保し続けることが大切です。
1カ月の常勤換算の計算方法
スタッフの勤務時間や休日を正確に把握することで、正しい常勤換算人数を把握できます。
ここでは、具体的な計算方法をみていきましょう。
週あたりの勤務時間を把握する
以下の計算式を用いることで、正確な数字を算出できます。
常勤の人数+(非常勤の勤務時間の合計)÷(常勤が勤務すべき時間)
この計算式に当てはめるには、事業所で週何時間勤務する者を常勤としているのか確認する必要があります。
たとえば週休2日で1日8時間働く場合、1週間の勤務時間は8時間×5日=40時間です。
就業規則により週の勤務時間が32時間以下のときは、32時間を所定の勤務時間として計算しましょう。
常勤職員の人数を特定する
次に、週あたりの勤務時間を満たしている常勤のスタッフが事業所に何人いるのかを特定します。
基本的には正社員が常勤に当てはまりますが、パートやアルバイトでも事業所が定める週あたりの勤務時間を越えていれば常勤になります。
非常勤の勤務時間を計算する
次に、非常勤のスタッフ全員の合計勤務時間を算出します。事業所に非常勤スタッフが3人いた場合を例に、みていきましょう。
- Aさん:週15時間
- Bさん:週20時間
- Cさん:週25時間
3人の勤務時間を合計すると、週60時間ということになります。
常勤と非常勤の常勤換算人数を算出する
最後に、計算式に当てはめて計算します。
ここでは、常勤の週あたりの勤務時間を40時間で計算してみましょう。
- Aさん:週15時間(非常勤)
- Bさん:週20時間(非常勤)
- Cさん:週25時間(非常勤)
- Dさん:週40時間(常勤)
- Eさん:週40時間(常勤)
常勤2人×(非常勤合計勤務時間60時間÷常勤の週あたりの勤務時間40時間)=3
よって、この事業所では3人が常勤換算人数ということになります。
常勤換算をする際の注意点
業務を兼務している者や有給休暇を取得する者など、通常と異なるシフトが発生することもあるでしょう。
そのようなときは、決められた条件をもとに計算を行っていきます。
ここでは、正確な人数を算出するための注意点を解説します。
業務を兼務している場合
兼務の扱いは市町村によって異なりますが、基本的には同じ敷地で同じ法人が運営している施設で、同時に業務を行っても問題がないときのみ、勤務時間を合算できます。
別の場所で運営している施設との兼務や、2つの業務の同時進行が難しいときは、それぞれの時間を分けて計算します。
有給休暇や出張の取り扱い
有給休暇や出張の扱いは、常勤と非常勤でそれぞれ異なります。
- 常勤:有給休暇や出張でも常勤換算に含まれる
- 非常勤:有給休暇や出張は常勤換算に含まれず、実際の勤務時間のみ常勤換算の対象となる
しかし、常勤でも1カ月以上の長期にわたる有給休暇や出張は対象外です。
育児休暇の取り扱い
育児休暇を取得しているスタッフは、常勤であっても上記に記載した長期にわたる休暇の対象となるため、常勤換算としてカウントできません。
しかし、育児休暇明けに短時間勤務に変更した者は、以下の3つの条件に当てはまる場合に常勤として認められます。
- 育児による短時間勤務の勤務時間が明確に定められている
- 事業所で定められた勤務時間が週30時間であること
- 利用者の対応に支障がないような体制を整えている
これらの取り扱いに注意しながら余裕のある人員配置を行い、基準を下回らないようにしていきましょう。
【まとめ】常勤換算は計算式に当てはめれば簡単にできる
常勤換算とは、全スタッフの労働時間が常勤のスタッフの何人分にあたるかを示した指数です。
障がい福祉サービス事業所では、決められた人員配置基準が定められているため、違反がないように人数を把握しておかなければなりません。
常勤換算は「常勤の人数」+「(非常勤の勤務時間)÷(常勤が勤務すべき時間)」の式で計算できますが、自動計算ツールなどを使用すればより簡単に管理が可能になります。
事業所の就業規則を確認し、兼務や有給休暇などの取り扱いに気をつけながら適切な運営を行っていきましょう。
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