Column
療育Q&A
2024.06.15

発達障がいのある子どもの「9歳の壁」はどう乗り越える?発達の特徴と対応を解説

発達障がいのある子どもの「9歳の壁」はどう乗り越える?発達の特徴と対応を解説

「9歳の壁」と呼ばれるように、9歳ごろになると学習面や人間関係などでつまずきを感じる子どもが多くいます。

発達障がいのある子どもがこの発達段階を迎えると、特性や苦手なことがはっきりと現れるようになり、保護者は対応方法に悩む場合もあるでしょう。

この記事では、9歳頃の発達障がいのある子どもの特徴と、この時期の乗り越え方について解説します。

この記事を読むことで、家庭でできるサポート方法や学校側との関わり方がわかり、特性に応じた対応ができるでしょう。

TS assistは放課後等デイサービスの運営をサポートします!

TS assistは、児童発達支援・放課後等デイサービスに特化したコンサルタントとして、豊富な運営経験を活かした専門的な支援を提供いたします。200店舗以上のサポート実績に基づき、職員の信頼関係構築や業務効率化のための具体的な戦略を提案します。

各施設に合わせたカスタマイズサービスで、経営の安定と収益向上を目指しましょう。個別対応の細やかさと、Googleチャットを通じた迅速なコミュニケーションで、お気軽にご相談いただける体制を整えております。より良い療育の提供に向けて、TS assistはお客様の信頼できるパートナーであり続けます。

9歳の壁とは

9歳頃の子どもは、体の変化だけでなく心の変化も大きい時期です。

物事を客観的に捉えられるようになる一方で、発達の個人差が顕著に現れるようになる時期でもあります。

友人関係の悩みや学習面でのつまずきなどの問題を「9歳の壁」と呼び、この時期を境に不安定になる子どもも多いでしょう。

ここでは、9歳頃に現れる発達の特徴と課題について解説します。

参考:文部科学省『子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題

友人関係の変化

特定の友達で仲良しグループができたり、その中で決まり事を作ったりと、友人関係にも変化が生じます。

他人の思いをくみ取れるようになる反面、仲間はずれにならないように友達の意見に合わせてしまう、ということもこの時期によくある問題です。

また、友人関係の中で他者に劣等感を抱きやすく、自分に自信が持てなくなり自己肯定感が下がってしまう子どももいるでしょう。

学習面の難易度が上がる

小学校低学年での学習は、目に見える物や身近にある理解しやすい内容が多い一方で、小学校高学年になると小数や分数などのイメージしにくい内容が多くなります。

この時期から抽象的な思考が育ち始めますが、個人差があるため勉強が難しいと感じる子どももいるでしょう。

その子の成長に合わせて、適切な学習面のサポートが必要になります。

9歳の壁を迎えた発達障がいのある子どもの特徴

発達障がいのある子どもが9歳の壁を迎えた時、一人ひとりの特性により困難が生じる場面が多くなります。

ここでは、この時期における発達障がいのある子どもの特徴について解説します。

相手の言葉や表情から気持ちを察することが難しい

他人の気持ちを察するのが苦手という発達障がいの特性により、同年代の子どもとのコミュニケーションが難しい場合があります。

友達が冗談で言った言葉をそのまま受け止めてしまい、けんかになってしまうということも少なくありません。

トラブルを減らして上手に友達と関わっていくためにも、特性に合わせたサポートが重要です。

今後の見通しを考えた発言や行動が苦手

発達障がいのある子どもは、今この発言をしたらどう思われるか、この行動をしたらこの後どうなるか、という先の見通しを立てることが苦手です。

思ったままに発言や行動をしてしまうため、周りの友達との付き合いや集団での活動が難しく、孤立してしまうこともあるでしょう。

抽象的な概念の理解が難しい

目に見えない抽象的な概念は、発達障がいのある子どもには理解が難しく、学習のつまずきに繋がることがあります。

子どもの苦手な部分は何かを見極めて、適切な環境設定や目標設定が必要になるでしょう。

9歳の壁を越えるために家庭でできるサポート

保護者が発達障がいの特性をしっかりと理解し、それに合わせた対応を行えば9歳の壁もゆっくり乗り越えられます。

ここでは、保護者が子どもに対して行うサポートの方法について解説します。

自己肯定感を高める声かけをする

この時期の子どもは、失敗をしてしまったり周りから否定的な言葉をかけられたりと、自分の体験により自己肯定感が下がってしまうことがあります。

まずは家族が良き理解者になって、自己肯定感を高める声かけをしていきましょう。

子どもが話す内容に否定的な意見はせず、聞き役になって事実だけを受け止めるようにします。そして、子どもの気持ちを理解する姿勢を見せ、共感することも重要です。

そうすることで、自分の気持ちをわかってくれる人がいるという安心感に繋がるでしょう。

エラーレスラーニングで経験を積み重ねる

失敗や間違いに対する恐怖心が強い子どもには、エラーレスラーニング(誤りなし学習)で経験を積み重ねることが重要です。

エラーレスラーニングとは、誤りのない状態で学習を進めていけるように、事前に対策をしたり間違える手前で修正したりする方法で、不安やストレスを軽減しながら学ぶことができます。

成功体験の積み重ねが子どもの自信に繋がり、学習への意欲も高まるでしょう。

スモールステップを意識する

最初から大きな目標に向かって進むのではなく、目標を細かく分けて簡単な内容から少しずつ進めていきましょう。

この方法は「スモールステップ」といい、つまずきを感じている子どもに対して家庭でもできる対応方法の1つです。

生活面や学習面においてつまずきを感じている子どもは、目標が高すぎると達成するまでに時間がかかり、モチベーションが下がってしまいます。

小さな目標に向かって取り組むことで、少しずつ確実に最終目標へ近づいていきましょう。

学校側に行ってもらいたい対応

発達障がいのある子どもが9歳の壁を乗り越えるためには、家族だけでなく周囲の支援が重要です。

特に小学校高学年の子どもが学校生活を円滑に送るためには、学校側の協力も必要不可欠でしょう。

ここでは、9歳の壁でつまずいた時に学校側に行ってもらいたい対応について解説します。

子どもの特性を理解してもらう

発達障がいのある子どもの特性は、一人ひとり異なります。まずは、保護者が子どもの発達障がいの特性や苦手なことについて整理し、学校の先生に理解してもらいましょう。

しかし、先生が保護者の話だけで子どもの困りごとを把握するのは難しい場合があります。

病院で発達の検査を受けている場合は、その検査結果を必ず持っていき、客観的なデータを元に日頃の困りごとや悩みについて共有しましょう。

そうすることで、子どもの課題が伝わりやすくなり、学校でどのような対応が必要か検討する材料となるでしょう。

担任以外の先生とも話をして見守ってもらう

子どもの悩みは、担任の先生に相談することが多いと思いますが、保護者が伝えたいことが上手く伝わらず、なかなか理解を得られないと感じてしまう保護者もいるかもしれません。

そんな時は、担任の先生以外の先生にも話をしてみましょう。小学校には、学年主任やスクールカウンセラーの先生など、子どもを見守る先生方がたくさんいます。

多くの先生に見守ってもらうことで、どのような方法で学習を進めていくべきかや、学校での過ごし方についてさまざまな意見が上がり、適切な配慮をしてもらえる可能性があるでしょう。

発達障がいのある子どもは周りのサポートで9歳の壁を乗り越えよう!【まとめ】

9歳頃の時期は、友人関係の変化や学習面での難易度が上がり、心が不安定になることがあります。

特に、発達障がいのある子どもがこの「9歳の壁」を乗り越えるためには、保護者や周りのサポートが必要不可欠です。

まずは、家族が一番の理解者となり、自己肯定感を高める声かけを行っていきましょう。また、エラーレスラーニングやスモールステップを意識し、目標までのハードルを下げて成功体験を積み重ねることも有効です。

家庭だけでこの問題を抱え込まずに、周囲に相談しながら上手に9歳の壁を乗り越えていきましょう。

TS assistは放課後等デイサービスの運営をサポートします!

TS assistは、児童発達支援・放課後等デイサービスに特化したコンサルタントとして、豊富な運営経験を活かした専門的な支援を提供いたします。200店舗以上のサポート実績に基づき、職員の信頼関係構築や業務効率化のための具体的な戦略を提案します。

各施設に合わせたカスタマイズサービスで、経営の安定と収益向上を目指しましょう。個別対応の細やかさと、Googleチャットを通じた迅速なコミュニケーションで、お気軽にご相談いただける体制を整えております。より良い療育の提供に向けて、TS assistはお客様の信頼できるパートナーであり続けます。

お問い合わせ