すぐ手が出る子の原因は？小学生のうちにできる対策法を紹介

小学生の子どもが友達に手を出してしまい、トラブルになってしまった経験がある親御さんもいるのではないでしょうか？

この記事では、すぐに手が出てしまう子どもの原因は何か、トラブルが起きる前にできる対策法について解説します。

この記事を読むことで、感情のコントロールが難しいお子さんに対しての対応を知り、未然にトラブルを防げるようになるでしょう。

すぐに手が出てしまう原因は？

すぐに手が出てしまう子どもには、さまざまな原因があります。主な原因と、考えられる障害について解説します。

衝動的で感情のコントロールが難しい特性がある

感情のコントロールが難しい場合、衝動的に手が出てしまうことがあります。お友達とトラブルになり怒りが頂点に達すると、怒りや興奮が抑えられなくなってしまうのです。このようなタイプの子どもは、集中力が続かない、周りに合わせて行動するのが難しいなどといった特徴も見られます。

感情をコントロールして落ち着いて行動することは、今後の社会生活において重要です。時には我慢ができるように、気持ちの切り替え方などを学んでいく場を作っていく必要があるでしょう。

友達との関わり方がわからず手が出てしまう

他者に対しての興味が薄く、友達と遊ぶことが苦手な子どもは、友達との接し方がわからず手が出てしまうことがあります。

このようなタイプの子どもは、1人遊びが好きで、周りからは手がかからない子と思われることが多いです。その一方で、1人遊びをしているのは友達との関わり方が苦手だからという理由かもしれません。

少しずつ他者との関わりを持てるように支援していくことで、適切な接し方を学ぶことができるでしょう。

すぐ手が出る子は発達障害の可能性もあり

​​先ほど解説した理由で友達に手を出してしまう場合は、自閉症スペクトラム症や注意欠陥・多動性障害（ADHD）などの発達障害があるかもしれません。

自閉症スペクトラム症の子どもは、こだわりが強い、コミュニケーションが苦手、相手の気持ちを読み取ることが苦手などの特性があります。

反対に、ADHD傾向にある子どもは、好奇心が旺盛で気になることにはすぐ行動してしまうところがあります。友達の遊びにいきなり参加してしまい、友達にそのことを指摘されると怒りから衝動的に手が出てしまうこともあるでしょう。

このような傾向が見受けられた時は、専門医の受診を検討することも視野に入れておきましょう。

参考：厚生労働省『発達障害の特性（代表例）』
一般社団法人日本自閉症協会『自閉スペクトラム症（ASD）とは』

小学生が手を出してトラブルになりうる場面

​​小学生同士の関わりの中で、喧嘩をしてしまいつい手が出てしまってトラブルになることもあるでしょう。発達障害を持つ小学生は、どのような場面でトラブルを起こしやすいのか解説します。

自慢話をされた時

「テストでいい点数を取った」「〇〇君よりもサッカー上手にできるよ！」など、子どもは何気ない瞬間に自慢話をするものです。そういう時に、ついカッとなって手が出てしまう場合があるでしょう。その時イライラして手を出してしまうことで、さらなるトラブルに発展してしまう可能性もあります。

伝えたいことが思うように伝わらない時

自分の感情を表に出すことが苦手な子の場合、自分が思っていることを伝えようとしてもなかなか思うように伝えられない時があるでしょう。そんな時に、もやもやした感情のまま手が出てしまうことがあります。ゆっくり自分の気持ちを伝えられるよう、周りの大人が支援していくことが大切です。

嘘をつかれた時

友達が冗談で言った嘘を、言葉通りの意味で捉えてしまい、嘘だとわかった瞬間手が出てしまうことがあります。言葉通りに受け取るということは、素直な性格ゆえのことです。お子さんの良い部分を伸ばしながら、柔軟に対応できる力を育てると良いでしょう。

約束を破られた時

遊ぶ約束などをしている場合に突然断られると、なぜ遊べないのか理解できず手が出てしまうことがあります。約束を破られた時にトラブルにならないように、事前に約束を断られた時の対応を子どもと話し合っておくと良いでしょう。

気持ちがイライラしている時

気持ちがイライラしている時は、感情のコントロールが難しい状況にあることが多いため、衝動的に手が出てしまうことがあるでしょう。気持ちを落ち着かせる方法を教えていくことで、気持ちのコントロールを上手に行えるようになる可能性があります。

すぐに手が出てしまう小学生にできる対策法

手を出してしまう子どもは、友達とトラブルになる前に対策をすることで良好な人間関係を構築できる可能性があります。

以下では、発達障害のある小学生にできる対策法をいくつか紹介します。

イライラの原因を明確にし事前に予防する

イライラした感情から手が出てしまった場合、なぜイライラしていたのか、その原因を探ることが大切です。衝動的に手が出てしまったように見えても、その行動には必ず理由があります。

特に発達障害のある子どもは、不安感を強く感じやすいため、不安な気持ちが大きくなりイライラにつながってしまうという可能性もあります。どんな時にどんなことでイライラしてしまうのか、その原因がはっきりとしてくれば、手が出る前に予防できるでしょう。

手を出してしまった相手に謝罪を促す

子どもが友達に手を出してしまった時は、気持ちを落ち着かせてから必ず相手に謝るようにしましょう。手を出してしまった子どもは、興奮状態にあります。しっかりと親の話を聞けるように、一度気持ちを落ち着かせてから、なぜ手が出てしまったのか、何か嫌なことがあったのかという理由を聞きましょう。

その時、「こういうところが嫌だったんだね」「本当はこう思っていたのに耐えられなかったんだね、辛かったね」と子どもの気持ちを親が言葉にしてあげることが大切です。手を出すことはいけないことだった、ということについても一緒に考え、子どもが納得した上で手を出してしまった相手へ謝罪しましょう。

子どもの気持ちに寄り添い一緒に答えを探すことで、強い安心感へとつながります。

手が出ないように言葉で伝えられるようにする

手が出てしまう子どもは、気持ちを言葉にするのが苦手な傾向にあります。まずは、今どんな気持ちなのかを理解させることが大切です。

子どもがどのように気持ちを言葉にしたら良いかわからない場合は、親が日頃から「ママは嫌なことがあったから、少しイライラしているんだ」などと感情の表現方法を伝えるようにしましょう。こうすることで、さまざまな種類の感情を理解し、言葉にできるようになります。

怒るのではなく褒めることを習慣化する

少しでも手が出ないように我慢できた時や、手を出すこと以外で問題を解決できた時は、積極的に褒めてあげましょう。

褒められたということは、本人にとって良い行動として認識されます。怒られてばかりだと自信が喪失し、返って衝動的な行動を助長させてしまうことがあるでしょう。

褒めることで自己肯定感を高め、自信を持って友達とコミュニケーションができるように支援することが大切です。

親が一番の理解者になる

子どもにとって親は一番の理解者であり、何よりも安心できる場所です。子どもの気持ちに寄り添い、しっかりと話を聞いてあげられる環境を整えましょう。

また、家庭内だけでは対応が難しくなった場合は、学校の先生や療育の先生など専門家に相談することも大切です。さまざまな機関と連携をすることで、子どもが安心して学校生活を送れるようになるでしょう。

すぐ手が出る子が小学生になっても困らない対策をする【まとめ】

小学生で友達に手を出してしまう場合、自閉症スペクトラム症や注意欠陥・多動性障害（ADHD）などの発達障害の可能性があります。

なぜ手が出てしまうのか、なぜ手を出したくなってしまったのかという原因を明確にし、支援を行うことが大切です。また、家庭内で対応が難しくなった場合は、学校の先生や療育の先生など、専門家に相談することで症状が落ち着く場合があります。

親子で一緒にコミュニケーション方法を学び、適切な支援をすることで、友達とのより良い人間関係の構築につながるでしょう。