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療育Q&A
2024.07.15

自閉症の子どもは走り方がおかしい?特徴や原因・改善方法を解説

自閉症の子どもは走り方がおかしい?特徴や原因・改善方法を解説

自閉症の子どもは、発達の特性により特徴的な走り方になる場合があります。

そんなお子さんを見守る保護者の方は、このまま正しい走り方ができないのではないか、何か改善する方法はないだろうかと不安になることもあるでしょう。

この記事では、自閉症の子どもが特徴的な走り方をする原因と改善方法について解説します。

この記事を読むことで、お子さんが苦手な動作について把握でき、1人ひとりに合わせた改善方法を見つけることができるでしょう。

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自閉症とは

自閉症とは、自閉スペクトラム症(ASD)のことで、発達障がいの1つです。

明確な原因は解明されていませんが、生まれつき情報を整理する脳の発達に特性があります。自閉症の主な特性は、以下のとおりです。

  • 他者とのコミュニケーションの困難さ
  • 特定の物、行動などに対して強いこだわり
  • 興味や関心の範囲が狭い
  • 感覚に対して過敏である

このような特性により、日常生活や社会生活において生きにくさを感じる場合もあるでしょう。

周りの大人が子どもの特性を理解し、上手にサポートすることが重要です。

参考:一般社団法人日本自閉症協会『自閉スペクトラム症(ASD)について学ぶ

走り方が変?自閉症の子どもに多い走り方の特徴

自閉症の子どもは、先ほど記載した特性の他に、感覚過敏や筋肉の緊張などの特性も持ち合わせています。

ここでは、自閉症の子どもに多い走り方の特徴を解説します。

つま先だけを使って小走りになる

自閉症の子どもは、小さい刺激を脳が過敏に受け取ってしまう「感覚過敏」の特性を持ち合わせていることがあります。

足裏の感覚過敏があると、足裏の嫌な感覚を感じないようにつま先で立ってその刺激を回避します。

走る時もつま先だけを使うことになるため、歩幅を大きく出すことができず、小走りになってしまう可能性があるでしょう。

腕を上手に使えていない

自閉症の子どもは、身体の筋肉が過緊張・低緊張の状態になる場合があります。

筋肉は適度な緊張状態を保つことで正常に身体を動かせるため、過緊張や低緊張の状態だと一定のリズムで走れないなどの支障が生じるでしょう。

また、腕を上手に使えないのは運動の協調性が欠如していることも要因の1つです。

右足を前に出した時に左手を前に出す、という一連の流れの動作が難しく、両手が一緒に前に出てしまうということもあります。

バランスが取れず転びやすい

つま先だけで走ると地面に着地する足の面積が狭いため不安定になりやすく、腕を上手に使えないとバランスを崩しやすくなります。

そのため、不安定な走り方で急な方向転換などを行うと、ふらついて転んでしまうことが多いでしょう。

自閉症の子どもが特徴的な走り方をする原因

自閉症の子どもが特徴的な走り方をするのには、さまざまな原因があります。

ここでは、自閉症の子どもに多い発達の状態について解説します。

神経の発達が未熟である

自閉症の子どもは、先天的に中枢神経系の発達が未熟です。

言葉の発達が遅い、こだわりが強い、感覚過敏があるという特性も、この神経の発達のアンバランスさが影響しています。

運動においても、感覚処理の困難さや運動協調の欠如などにより、つま先だけで走る、手足の動きが不自然になるなどの特徴的な走り方に繋がってしまいます。

身体的な要因

適度な筋緊張を保てない低緊張の状態だと、同じ姿勢を長時間続けられないだけでなく、土踏まずのアーチが崩れやすくなり扁平足になる可能性があります。

扁平足になると、ペタペタ歩きになったりバランスを保てなくなったり、走行時に影響が出ることがあるでしょう。

このような身体的な問題も、特徴的な走り方になる要因の1つです。

感覚統合の調整が難しい

人は、無意識に視覚や聴覚から入ってくるさまざまな感覚を上手に整理して物事に対応しており、「走る」という動作も感覚統合の調整により行われています。

しかし、自閉症のある子どもはこの感覚統合の調整がうまくできず、身体のバランスが取れない、位置感覚が把握できないという問題が生じます。

走り方を改善するには、遊びや日常生活の中でさまざまな体験をし、感覚に慣れていくことが重要です。

模倣や学習による影響

人は大人や周りの子どもの動きをよく見て真似ることで、その行動を理解し新たな動作を獲得します。

そのため、子どもが特徴的な走り方をしているのは、不自然な走り方を模倣したことによる影響かもしれません。

また、走る動作を学習する時は、最初から正しい動きができるわけではなく、試行錯誤しながら動作を習得していきます。

運動スキルを学習する過程で、一時的に特徴的な走り方になる場合もあるでしょう。

自閉症の子どもの走り方を改善する方法

子どもの走り方を直す際に、おさえておくべきいくつかのポイントがあります。

ここでは、自閉症の子どもの特徴的な走り方を改善する方法について解説します。

適切な環境を整える

正しい走り方をするためには、まず走るための環境を整えることが大切です。

安全に配慮された場所であるかどうか、運動に適したスペースが確保されているかなど、子どもが運動に集中できる環境作りを行いましょう。

また、子どもの足に合った適切な靴選びも非常に重要です。

サンズが小さい靴を履いていると、足の指が曲がった状態になり外反母趾などの変形につながる可能性があります。

反対に大きい靴を履いていると、靴の中で足が前に滑ってしまい、足全体のホールド感が失われ不安定になります。

しっかりと足にフィットした靴で走ることで、足全体で地面を蹴ることができ、正しい走り方が定着しやすくなるでしょう。

正しい姿勢で歩く

正しい走り方をするには、正しい姿勢で歩けるようになる必要があります。

正しい姿勢で歩くためのポイントは、以下のとおりです。

  1. あごを引いて胸を張る
  2. 力を抜いて軽く手を握る
  3. 肩の力を抜き脇を締めて腕を振る
  4. かかとから着地し、つま先で蹴る

このようなポイントを踏まえて正しい歩き方を覚えたら、腕を早く振り走る動作の練習を行っていきましょう。

柔軟性の強化や体幹・バランス感覚を鍛える運動を行う

よい姿勢を保持して安定した走りをするためには、身体の柔軟性や体幹の強化、バランス感覚の向上を目指す必要があります。

ここでは、子どもが楽しんでトレーニングできるおすすめの遊びを紹介します。

ギッコンバッタン

ギッコンバッタンは、足首や股関節の柔軟性を高める遊びです。

具体的な方法は、以下のとおりです。

  1. 2人で向かい合わせになって足裏を合わせる
  2. 手を繋ぎ(またはタオルを持ち)引っ張り合う
  3. 膝が曲がらないように意識して行う

足首が柔らかくなることでつま先歩きの改善に繋がり、股関節の柔軟性が高まると走る際に足を大きく振り出せるようになるでしょう。

トランポリン

トランポリンは、体幹筋の向上やバランス感覚の向上が期待できる遊びです。

自閉症の子どもは、ジャンプすることが好きな子が多いため、楽しみながらトレーニングを継続できるでしょう。

また、トランポリンを跳ぶ時にさまざまな動きを取り入れることで、感覚統合を促す効果があるといわれています。

遊びの中で感覚を刺激できるトランポリンは、運動が苦手な子どもにもおすすめの遊びです。

自閉症の特徴的な走り方はトレーニングで改善できる【まとめ】

自閉症の子どもは、つま先で走ったり腕を上手に触れなかったりと、特徴的な走り方をする場合があります。

これは、神経発達の未熟さや感覚統合の難しさなどの特性によるものですが、走る際の環境設定や筋力の向上により、走るフォームの改善が期待できます。

子どものペースで楽しくトレーニングできるよう、周りの大人が適切なサポートを行っていきましょう。

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