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療育Q&A
2024.09.20

自閉症などの発達障がいと知的障がいの違いは?原因や種類・主な支援先を解説

自閉症などの発達障がいと知的障がいの違いは?原因や種類・主な支援先を解説

子どもの発育のスピードは人それぞれで、中にはなかなか言葉を発しない、落ち着きがないなど気がかりな様子がみられるお子さんもいます。

成長するにつれて困りごとが増える場合、発達障がいや知的障がいの可能性があるかもしれません。

しかし、発達障がいや知的障がいという言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどのような状態のことを指しているのかわからない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、自閉症などの発達障がいと知的障がいの違いについて解説します。

この記事を読むことで、発達障がいと知的障がいの原因や種類、主な支援先を知ることができるでしょう。

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発達障がいと知的障がいの違いは?

発達障がいは、不注意や多動、言葉の遅れなどのさまざまな障がいの特性により日常生活に困難が生じる状態をいいます。

一方、知的障がいとは、知的機能の遅れにより支援を必要とする障がいのことです。

精神疾患の世界共通の診断基準として用いられている「DSM-5(精神疾患診断・統計マニュアル第5版)」では、それぞれ異なる障がいでありながらも同じ神経発達症群のカテゴリーに分類されています。

つまり、知的障がいも発達障がいの一つということです。

知的障がいだけ発症する場合もあれば、発達障がいと知的障がいが併発する場合もあるため、一人ひとりの特性や症状に合わせた対応が重要になるでしょう。

発達障がいとは

発達障がいは、脳の機能に偏りがあるためさまざまな困りごとが生じ、日常生活に影響をもたらす状態をいいます。

障がいによる症状は、通常低年齢の時に出現することがほとんどです。

しかし、特性があるから発達障がいと診断されるわけではなく、日常生活の中でどの程度支障が出ているかで発達障がいかどうかが決まります。

参考:厚生労働省『発達障害の理解のために

発達障がいの原因

発達障がいは、生まれつき脳に機能障がいがあることにより発症します。

脳の機能障がいを引き起こす要因やメカニズムは、いまだ解明されていませんが、親の育て方や本人の性格が原因ではないということはわかっています。

発達障がいは発症したら治らないというわけではなく、本人の特性にあった環境設定や日常生活の困難に対する配慮・療育などにより、発達の促進が期待できるでしょう。

発達障がいの種類

発達障がいにはいくつかの種類があり、その特性もそれぞれ異なります。

主な発達障がいの種類や特性についてみていきましょう。

ASD(自閉スペクトラム症)

ASD(自閉スペクトラム症)は、言葉の遅れやコミュニケーション・対人関係の障がいなどの特性があります。

相手の気持ちをくみ取ることが苦手だったり、ルールを理解するのが難しかったりと、人との関わりの中で困難が生じるでしょう。

また、こだわりの強さもASDの特性の一つです。

自分の中で決められたやり方から外れてしまった時に、不安で動けなくなったり、パニックになってしまうことがあります。

しかし、慣れた場所やいつも行っている作業などでは、積極的に行動できるという側面も持ち合わせています。

ADHD(注意欠如多動症)

ADHD(注意欠陥多動症)は、不注意や多動・多弁、衝動的な行動などの特性があります。

全ての特性を持ち合わせている子もいれば、一つの特性が強い子など、症状は一人ひとり異なります。

子どもの場合、授業に集中できない、忘れ物が多いなど、学校などでの困りごとが多くなるでしょう。

SLD(限局性学習症)

「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」などの基礎能力のうち、一つもしくは複数の能力の習得が難しく、学習において困難が生じる障がいをSDL(限局性学習症)といいます。

SLDの特性による困りごとがある場合は、プリントの文字を大きくしたり、絵や単語と関連付けて文字を覚えたりと、個々の症状に合った学習面の配慮が必要でしょう。

DCD(発達性協調運動症)

DCD(発達性協調運動症)は、手足などの動きをコントロールして行う協調運動が難しく、日常生活に支障が生じる障がいです。

協調運動とは、縄跳びのようにジャンプをしながら縄を回すというように、2つの動作を同時に行う運動のことをいいます。

どの動作が苦手なのかを見極め、必要な訓練や経験を積むことで、少しずつ症状が改善していく可能性があるでしょう。

知的障がいとは

知的障がいとは、おおむね18歳までに知的機能の障がいが出現し、日常生活において何らかの特別の援助を必要とする状態のことです。

知能検査による知能指数がおおむね70までの人や、日常生活能力の水準の程度により知的障がいかどうか診断されます。

参考:厚生労働省『知的障害児(者)基礎調査:調査の結果

知的障がいの原因

知的障がいの原因として、生理的要因、先天的要因、後天的要因があります。

  • 生理的要因:特に基礎疾患はないが、知的障がいの診断基準に当てはまる場合
  • 先天的要因:染色体異常や出産前後の感染症・中毒などが要因の場合
  • 後天的要因:出生後の疾患や怪我、乳幼児期の栄養失調が要因の場合

知的障がいは遺伝すると思っている方もいるかもしれませんが、必ずしも親から子へ遺伝するものではなく、遺伝したとしても発症しない可能性もあります。

知的障がいの種類と特徴

知的障がいは、症状の程度によって「軽度」「中度」「重度」「最重度」の4つに分類されています。

厚生労働省では、以下のIQ(知的指数)に加え、日常生活水準を考慮した上で障がいの程度が診断されます。

  • Ⅰ:IQ51〜70
  • Ⅱ:IQ36〜50
  • Ⅲ:IQ21〜35
  • Ⅳ:IQ〜20

種類別の主な症状や特徴については、以下のとおりです。

  • 軽度:日常生活は年齢相応にできるが、読み書きや計算が苦手
  • 中度:言葉の発達がゆっくりで、学童期においてもコミュニケーションや学習面での発達はある程度の水準にとどまる
  • 重度:学童期になると身振りや手振りを交えて単純な会話はできるが、身支度など日常生活の支援がいくらか必要になる
  • 最重度:会話でのコミュニケーションは難しく、身体的なケアや安全面での配慮など日常生活での支援が多く必要になる

症状は一人ひとり異なるため、少しでも発達で気になることがあったら専門医の受診を検討しましょう。

発達障がいや知的障がいの方への支援

支援を必要とする発達障がいや知的障がいの方が支援を受けるには、どのような場所があるのでしょうか?

ここでは、障がいのある方が利用できる支援先について解説します。

自治体の相談窓口を利用する

自分の住んでいる地域でどのような支援を受けられるか知りたい方は、まず自治体の相談窓口の利用がおすすめです。

各自治体には、保健センターや子ども家庭支援センター、児童相談所などがあります。

これらの窓口では、子どもの悩みに合った適切な相談先や支援先、手続きの方法などを提案してくれるでしょう。

特別支援教育を受ける

学習面での支援の必要性のある場合は、特別支援学校や小・中学校の特別支援学級において特別支援教育を受けるという選択肢もあります。

特別支援学校や特別支援学級では、少人数クラスなのでさまざまなニーズに合わせた手厚いサポートが受けられるでしょう。

学校生活における合理的配慮を検討してもらう

学校における合理的配慮とは、特別な支援を必要とする児童の障がいの程度や特性を踏まえて個別に対応することをいいます。

たとえば、読むことや書くことに困難さが生じている子どもに対し、プロジェクターやパソコンを使用して他の子どもと一緒に授業を受けられるように支援します。

不自由なく学習に参加できるよう、特性に合わせた合理的配慮をしてもらえるかどうか相談してみましょう。

発達支援などの療育を受ける

療育とは、障がいのある子どもが社会的に自立して生活できるように、身体的・精神的機能の発達を促すための支援です。

自宅から通って療育を受ける通所支援と、施設に入所して療育を受ける入所支援があります。

通所支援の種類は、以下のとおりです。

  • 児童発達支援
  • 医療型児童発達支援
  • 放課後等デイサービス
  • 保育所等訪問支援

入所支援は、福祉サービスを行う福祉型障がい児入所施設と、専門医療と福祉が提供されている医療型障がい児入所施設があります。

【まとめ】自閉症などの発達障がいと知的障がいの違い

発達障がいと知的障がいは、脳機能の偏りやさまざまな脳の障がいにより日常生活に困難が生じる状態をいいます。

それぞれ異なる障がいですが、「DSM-5(精神疾患診断・統計マニュアル第5版)」では同じ神経発達症群のカテゴリーに分類されています。

どちらの障がいも症状や特性が一人ひとり違うため、専門機関と協力しながら適切な支援方法を見つけていきましょう。

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