欠席時対応加算とは?算定要件や記録例・注意点を解説
急病や用事などで、利用者が利用を予定していた障がい福祉サービスをお休みした際に、事業所が適切な支援を行うことで算定できるのが欠席時対応加算です。
しかし、具体的にどのような支援を行えばよいかわからない方も多いでしょう。
この記事では、加算を取得する際の要件や記録例、注意点について解説します。
この記事を読むことで、実際に事業所で行うべき対応や適切な支援方法を知ることができるでしょう。
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欠席時対応加算とは
利用者が利用日に何らかの理由でお休みをした際に、状況の確認や次回の利用を促す相談支援を行うことで算定できる加算です。
また、この加算にはⅠとⅡがあり、事前にお休みの連絡があった場合と当日の利用時間が短くなった場合で算定できる加算が異なります。
それぞれの条件に合わせた算定要件を見ていきましょう。
欠席時対応加算Ⅰの算定要件
利用予定日の前々日〜当日までに欠席の連絡を受けた際に、加算の算定が可能です。具体的な内容は、以下のとおりです。
- 利用予定日の前々日〜当日までに欠席の連絡を受けている
- 利用者または家族との連絡調整や相談援助などを行う
- 実施した相談援助の内容などを正確に記録している
相談援助を行う期間も、利用予定日の前々日から利用予定日までの間と決められているため、期間内に適切な支援を実施しましょう。
参考:厚生労働省『児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準』
欠席時対応加算Ⅱの算定要件
利用児童の急な体調不良などにより、当日のサービス提供時間が短くなった際に取得できるのが欠席時対応加算Ⅱです。この加算は、令和3年度の報酬改定により新設されました。
具体的な内容は、以下のとおりです。
- 利用者がサービス利用中に体調不良などで利用を中断し、サービスを提供した時間が30分以下になった場合
- 利用日の利用者の様子や、利用を中断した時の状況などを記録に残す
参考:厚生労働省『令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要』
欠席時対応加算の記録事項と記録例
算定要件を満たしていても、その時の様子が明確にわかる記録が残っていなければ、加算請求を行うことができません。
ここでは、欠席連絡を受けた際に記録しておくべき事項とその記録例について解説します。
記録事項
加算を取得する際に必要となる記録事項は、以下のとおりです。
- 欠席の連絡を受けた日にち
- 利用予定日
- 連絡者の名前
- 欠席の連絡を受けた対応者の名前
- 連絡手段
- 欠席をした理由
- 当日の利用者の状況
- 相談援助の内容
- 次回の利用予定日
これらの内容を記録する指定の様式はないため、事業所独自に作成する必要があるでしょう。
記録例
必要な記録事項を元に、実際の記録例を見ていきましょう。
- 欠席の連絡を受けた日にち:2024年2月10日午前10時32分
- 利用予定日:2024年2月12日
- 連絡者の名前:山田健太さん
- 欠席の連絡を受けた対応者の名前:高橋花子
- 連絡手段:電話
- 欠席をした理由:熱と咳の症状
- 当日の利用者の状況:昨日から38度の熱と咳の症状があるため、2月12日の利用をお休みしたいとの連絡あり。
- 相談援助の内容:山田健太さんの体調の確認を行い、自宅で様子を見ながら安静に過ごしていただくように伝える。また、状態が改善しないようであれば病院受診をすることを勧める。
- 次回の利用予定日:2024年2月16日(当日の体調により変更あり)
利用者の現在の状態や、どのような援助を行ったのかという内容を細かく記載します。次回の利用予定日を確認し、継続的なサービス利用ができるように調整を行いましょう。
欠席時対応加算の注意点
加算を請求するときは、事実に基づいた正しい情報の記録や支援内容が重要です。
ここでは、欠席時対応加算Ⅰを算定する際の注意点について解説します。
欠席連絡を受けた日時を正確に記録する
欠席時対応加算Ⅰは、欠席の連絡を受けたタイミングによって加算の算定ができるかどうかが変わってきます。
欠席の連絡を受けた日が3営業日前だった場合には、対象にはなりません。また、連絡を受けた日付と時間が正確に明記されていない場合も、正確な情報がわからないため算定不可となるでしょう。
連絡を受けた職員は、何日の何時に対応したのかを漏れなく記載することが大切です。
相談支援や連絡調整の内容を記録する
当日の利用者の状態を確認し、お休みをしたことで今後のサービス継続に支障が出ないように、不安に思っていることや気になる点について相談に応じます。家族からの相談内容や実施した支援内容についての記録が抜けてしまうと加算の算定ができないため、確実に記録を残すことが大切です。
また、次回の利用予定日の確認などサービスが適切に継続できるような連絡調整を行った際も、その内容をしっかりと記録しておきましょう。
電話での欠席連絡や相談支援も算定可能
欠席の連絡や相談支援は、対面ではなく電話での連絡でも問題ありません。必要な事項を正しく記録するために、欠席連絡の電話を受けた職員がどのような対応を行えばよいかなど、事業所内で検討しておく必要があるでしょう。
サービス提供実績記録票に内容を記載し押印をもらう
欠席時対応加算は「欠席したことに対する相談援助」という形でのサービス提供が評価対象なので、そのような援助が実際にあったかどうか利用者や保護者に確認が必要です。
お休みの連絡を受けた際は、サービス提供実績記録票のサービス提供の状況の欄に「欠席」と正しく記載することで、その事実を証明できる確かな記録となります。
そして次回利用時に、保護者に内容の確認と押印をもらうようにしましょう。
参考:厚生労働省『サービス提供実績記録票記載例(案)』
欠席時対応加算を算定できる回数と算定単位
加算の種類によって、1カ月に算定できる回数に上限が発生する場合があります。
ここでは、1カ月に算定できる回数と単位数について解説します。
算定回数と単位数
欠席時対応加算Ⅰは、1人に対し月4回まで算定ができます。しかし、重症心身障がい児の場合は、月の事業所の利用者数を利用定員と当該月の営業日数をかけた数で割った数が80%未満であることを条件に、月8回まで算定が認められています。
欠席時対応加算Ⅱは、月の回数に上限はなく算定要件を満たせばその都度算定可能です。
単位数は、どちらも94単位と定められています。
計算方法
欠席時対応加算の計算方法は、以下のとおりです。
- 94単位×欠席により連絡調整を行った回数×地域単位
地域単価は、各自治体によって異なるため確認が必要です。では、地域単価が10円だった場合を例に、算定額を計算してみましょう。
- 94単位×3回(連絡調整)×10円(地域単価)=2,820円
1回につき2,820円の計算になるため、欠席して対応を行った回数に応じて合計額を算出します。
欠席時対応加算の算定要件と記録例を確認しよう【まとめ】
欠席時対応加算は、利用者が利用予定日に急病などでお休みをした際に、事業所側が適切な支援を行うことで取得できる加算です。
この加算にはⅠとⅡがあり、どちらも算定要件を満たし決められた記録事項を正しく記録することで算定できます。特に、欠席連絡を受けた場合に行う相談援助の内容が非常に重要なので、しっかりと記録に残しておくことが大切です。
欠席時対応加算を取得する際は、算定要件に当てはまるかどうかを確認し、次回の利用継続に繋がるような適切なサポートを行いましょう。
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