高校生が不登校になったらどうする？初期対応のポイントや今後の進路を解説

小・中学生に限らず、高校生でも不登校になる子どもが増えており、対応に悩んでいる親御さんも少なくありません。

高校生になると、義務教育とは違い各科目の単位の取得が必要です。

不登校が続いた場合、留年や退学・子どもの精神状態の不安など、さまざまな心配事がでてくるのではないでしょうか？

ここでは、高校生が不登校になった場合の初期対応と今後の進路について解説します。

この記事を読むことで、家庭での適切な対応方法や学校以外の選択肢がわかるでしょう。

高校生が不登校になった場合の初期対応

高校生が不登校になった場合、子どもの気持ちを尊重しつつ冷静な対応が求められます。

ここでは、高校生が不登校になった場合の初期対応を解説します。

子どもの気持ちを理解する

まず、親は子どもの気持ちに寄り添い、子どもが抱えている不安やストレスを理解しましょう。

否定的な言葉は避け、子どもの気持ちに共感することが大切です。

子どもが学校へ行きたくない理由を話したがらないときは、無理に聞き出そうとしてはいけません。

ゆっくりと親子の信頼関係を深め、子どもが話しやすい環境を整えていくと良いでしょう。

無理に学校へ行かせない

不登校の初期段階では、無理に学校へ行かせると逆効果になる可能性があります。

この時期は、学校に行くことへの抵抗感があり、精神的にも負担がかかっている時期です。

不登校の罪悪感を抱えている場合もあるため、学校を休んでもいいと伝えるなど、安心して休息できるような配慮をしていきましょう。

子どものペースを尊重し、心の準備が整うまで焦らず見守る姿勢が大切です。

安心できる環境を整える

家庭内での安心感を高めるために、子どもがリラックスできる環境を整える必要があります。

高校生になると自立心が芽生え、親に反抗的な態度を示す子どもも少なくありません。

つい心配で過干渉になりがちですが、あまり口出しをせずに、家庭が心地よい居場所となるような配慮が必要です。

また、不登校の初期段階は、親も心配事が増え慌ててしまいますが、なるべく冷静に子どもと向き合いましょう。

親の不安感は、子どもにも伝わってしまいます。

いつもと変わらない態度で接すると、子どもも安心してコミュニケーションが取れるでしょう。

学校との連携を図る

子どもが不登校になってしまった場合、学校との連携は必要不可欠です。

担任の先生やスクールカウンセラーと連絡を取り合い、子どもの状況を共有しましょう。

学校との連携を通じて、別室登校や個別指導など、子どもに合った学習環境を整えてくれる可能性があります。

安心して学校に戻れるように、学校側と具体的な対策を検討していきましょう。

高校生の不登校を相談できる専門機関

不登校になると、心身ともにバランスを崩し、不安定な状態になります。

そんなときは、専門的な視点からアドバイスを受けるのも一つの方法です。

ここでは、不登校の相談ができる専門機関を解説します。

スクールカウンセラーへ相談する

スクールカウンセラーは、学校に配置されている心理の専門家であり、不登校やいじめ、発達障がいなどの問題に対して相談を受け付けています。

個別のカウンセリングにより、学校での悩みや問題点がより明確になるでしょう。

相談した内容が、他の先生に知られてしまうのではないかと心配な方もいるかもしれません。

しかし、スクールカウンセラーには守秘義務があるため、安心して相談できます。

また、子どもの様子で心配事がある場合、保護者の利用も可能です。

保護者が感じている子どもの問題とカウンセリングによる専門的な意見により、今後の家庭での対応策が具体的になるでしょう。

教育支援センター（適応指導教室）を活用する

教育支援センターは、不登校の子どもたちに対して学習支援や心のケアを行う公的機関です。

ここでは、個別のカウンセリングや少人数での学習環境が提供され、学校復帰に向けたサポートが受けられます。

利用を検討している場合は、地域の教育支援センターに相談し、具体的な支援内容や利用方法について確認すると良いでしょう。

参考：文部科学省『適応指導教室（学校支援センター）の取り組みについて』

児童相談所を利用する

児童相談所では、不登校や家庭内の問題、発達障がいや行動上の問題など、子育てに関する幅広い悩みを相談できます。

不登校の子どもに対しては、教育的な支援や心理的なサポートを通じて、学校復帰や社会的自立を促します。

ほかの機関（教育支援センターや医療機関など）と連携を図りながら、必要なサポートをまとめて受けることができるでしょう。

心療内科や精神科を受診する

不登校の原因が心理的なものである場合、医師による診断や治療が必要です。

心療内科や精神科では、薬物療法や心理療法など、個々の症状に応じた適切な治療が受けられます。

精神的に不安定の状態が続くときは、病院受診も検討してみてください。

不登校になった高校生の進路

高校進学後に不登校になった場合、その後の進路で迷う方もいるでしょう。

ここでは、不登校になった高校生の進路選択について解説します。

通信制高校などに転校する

進学した高校で不登校になってしまった場合、通信制高校に転校する選択肢もあります。

通信制高校は、毎日通学する必要がなく、自宅での学習が中心です。

これにより、学習ペースを自分で調整できるため、学校の授業についていけない生徒も適応しやすい環境が整っています。

また、専門的なコースを選択できる学校も多く、自分の興味に合わせた学びが可能です。

通信制高校を卒業すれば高卒資格を取得できるため、就職や進学の際に有利になるでしょう。

高等学校卒業程度認定試験を受験する

高校を卒業していなくても、高等学校卒業程度認定試験に合格すれば、高校卒業者と同等以上の学力があると認定されます。

そのため、大学や専門学校の受験も可能です。

合格に必要な科目数は8〜9科目で、受験科目は受験者が選択できます。

科目は複数回に分けて受験可能なので、自分のペースで学習を進められるでしょう。

また、高校で取得している単位や資格があれば、受験科目が免除される場合があります。

免除要件に当てはまる可能性があるときは、試験を受験する前に、高校や各資格の団体に確認しましょう。

参考：文部科学省『高等学校卒業程度認定試験』『知識及び技能に関する審査(技能審査)の合格による免除要件』

就職する

不登校の高校生の進路として、転校ではなく就職も選択肢の一つです。

早期に就職して社会経験を積むことで、自立に向けた成長につながります。

しかし、高卒の資格がない場合、最終学歴が中卒になるため就職先の選択肢が狭まる可能性があります。

未経験でもできる仕事や学歴不問の求人もあるため、ハローワークなどの就職支援機関で相談の上、就職活動を進めると良いでしょう。

よくある質問

近年、不登校は年々増加してきており、社会問題にもなっています。

そのため、どのような子どもが不登校になりやすいのか、どのように回復していくのか疑問に思っている方もいるでしょう。

ここでは、不登校に関するよくある質問を解説します。

不登校が回復するサインは？

不登校から回復してきている時期は、家族や友人との会話が増えたり、外出する機会が増えたりと、前向きな行動が見られるようになります。

何もすることがなく暇を持て余すような様子も、回復のサインの一つです。

この状態は、子どもが自分の気持ちを見つめ直し、行動を起こす準備が整ったことを示しています。

また、学校や社会に対する関心が高まってくると、自分から勉強を始めたり興味のあることに取り組んだりと、自主的な行動を取るようになります。

親は、これらのサインを見逃さず、必要に応じて手を差し伸べられるようにサポートしていきましょう。

不登校になりやすい子の特徴は？

不登校になりやすい子どもには、いくつかの傾向や環境的要因があります。

• ストレスや不安に対して敏感である
• 他者との関わりを避ける傾向があり、特に新しい環境や人間関係に対して強い不安を感じる
• 自分に自信がなく、他者と比較して劣等感を抱きやすい傾向がある
• 高い理想を持ちすぎるあまり、失敗を恐れて行動を起こせなくなってしまう
• 不安定な家庭環境や親子関係の悪化が、不登校の要因となる場合がある

少しでも学校生活に不安な様子があれば、早期に適切な対応をしていきましょう。

【まとめ】高校生が不登校になった場合の初期対応の重要性

不登校にはさまざまな原因があり、一人ひとりに合った対応が必要です。

特に不登校の初期段階では、無理に登校させず、家庭で安心できる環境を整えましょう。

必要に応じて、専門機関での相談や病院受診を検討すると、より具体的な対応方法が見えてきます。

不登校になっても将来に向けて自分らしい選択ができるよう、状況に合ったサポートをしていきましょう。